航空会社大手2社の違いを数字で比較

カテゴリ:航空業界
ES研究所 2018年10月04日

飛行機雲

ここでは日本の航空会社の

  • ・JAL
  • ・ANA

の2社を有価証券報告書に記載されている事柄から比較することで、イメージではなくその企業ひいてはその業界の「事実」の確認が出来ればと思っています。

目次

  1. 主要子会社・関連会社の比較
  2. 事業規模の比較
  3. 安全性の比較
  4. 利益性の比較
  5. コスト&研究開発費の比較
  6. 従業員1人あたりの売上&利益の比較
  7. 事業セグメントの比較
  8. まとめ
  9. 志望動機として使えそうな点

①主要子会社・関連会社の比較

表14
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②事業規模の比較(単位:百万円)

表6

売上 順位

  • 1位:ANA
  • 2位:JAL

純利益 順位

  • 1位:ANA
  • 2位:JAL

売上高はJALよりもANAの方が大幅に多いですが、純利益となるとその差は微々たるものになっています。

事業規模はANAの方がJALより大きいけれども、利益効率に関してはANAよりもJALの方が良さそうです。

③安全性の比較

表21

流動比率 順位

  • 1位:JAL
  • 2位:ANA

自己資本比率 順位

  • 1位:JAL
  • 2位:ANA

財務の健全性に関してはJALの方が良さそうです。と言ってもJALの各数値は割と平均的です。

そしてANAに関しては財務基盤はアウトではないのですがかなり弱そうです。

あまり内部留保をしない方針なのかもしれませんが、もう少しバッファーがあっても良いのではないかと思います。

④利益性の比較

表10

純利益率 順位

  • 1位:JAL
  • 2位:ANA

事業規模の項目でも言及しましたが、やはり純利益率はJALの方が圧倒的に良いようです。

ネットFCF 順位

  • 1位:JAL
  • 2位:ANA

純利益はANAが僅差でJALに勝っていましたが、ネットFCFに関してはJALが逆転しています。

営業CFの差なのか、それとも設備投資比率の差なのか。

実質設備投資/営業CF 順位

  • 1位:JAL
  • 2位:ANA

設備投資比率に関しては2社ともほぼほぼ同じくらいのようです。

それでもJALがANAにネットFCFで大幅な差を付けているということは、営業CFにおいてJALがANAを大幅に上回っているということになりそうです。

在庫回転率 順位

  • 1位:JAL
  • 2位:ANA

在庫回転に関してはJALの圧勝です。

ただこれだけの在庫回転率の差を見せても売上はANAの方に軍配が上がるということは、おそらく商品単価はANAがJALの何倍も高いということになると思います。

⑤コスト&研究開発費の比較

表22

※研究開発費は2社とも計上されていないので同率1位としています。

販管費/売上 順位

  • 1位:JAL
  • 2位:ANA

研究開発費/売上 順位

  • 1位:JAL&ANA

販管費に関しては2社ともだいたい同じくらいのようです。

⑥従業員1人あたりの売上&利益の比較

表7

売上/従業員(単位:百万円) 順位

  • 1位:ANA
  • 2位:JAL

営業利益/従業員(単位:百万円) 順位

  • 1位:JAL
  • 2位:ANA

1人あたり営業利益/売上 順位

  • 1位:JAL
  • 2位:ANA

売上についてはANA方が大きいですが営業利益はJALに軍配が上がります。

営業利益率を見ると純利益率よりかは差は縮まっていますが、いずれにせよJALの方がANAよりも効率的な商売をしていることがわかります。

⑦事業セグメントの比較

表9
表2
表19

航空運送
航空運送・空港旅客サービス・グランドハンドリング・整備・貨物・旅客販売・空港周辺事業
その他
航空運送を利用した旅行の企画販売・航空座席の販売・手荷物宅配・給油・システム開発&運用・旅行業向け予約発券システムの提供・クレジットカード事業など

明らかに「航空運送」がメイン事業だということがわかりますが特筆すべきはその営業利益率で、本業が一番利益効率の良い事業というけっこう理想的な環境です。

そしてサブ事業は利益効率は本業に劣るけれどもしっかりと利益を出しているのでその点も評価すべきでしょう。

ただ年々全体の営業利益率が低下してきているのは少し気がかりです。

表16
表12
表11

航空
全日本空輸株式会社、ANAウイングス株式会社、株式会社エアージャパン、バニラ・エア株式会社、Peach・Aviation株式会社による航空事業
航空関連
顧客に対する空港での各種サービス提供、電話による予約案内、航空事業で運航される航空機への整備作業の役務提供など
旅行
ANAハローツアー及びANAスカイホリデーブランドのパッケージ旅行商品等の企画及び販売など
商社
主に航空関連資材等の輸出入及び店舗・通信販売など
その他
ビル管理・人材派遣など

メイン事業はやはり「航空」なのですが、営業利益率を見ると「航空関連」と「その他」がセグメント内でも抜きん出た営業利益率を誇っていることがわかります。

特に「航空関連」の台頭の仕方は目を見張るものがあります。

そしてメイン事業の「航空」はJALと比べるとやはりその効率性は劣るようです。

2社の海外売上比率ですがJALは意外と海外進出をしているのに対して、ANAはかなりドメスティック寄りということがわかります。

表8

⑧まとめ

これまで見てきた 社の順位を「利益性」「コスト」「安全性」「チーム力」「個人技」の括りで下記します。

※各数値の偏差値を基準として順位を算出しています。偏差値の平均は50です。

※平均以下の項目を赤字で示しています。

表18

利益性 総合順位

  • 1位:JAL(偏差値:63)
  • 2位:ANA(偏差値:61)

事業規模に関してはANAの勝ちですが、その他の効率性などを含めると僅差でJALの勝ちということになっています。

表1

コスト 総合順位

  • 1位:JAL(偏差値:65)
  • 2位:ANA(偏差値:59)

コスト効率に関しては全項目でJALがANAを上回っています。

とはいえ各項目の数値でJALがANAを少しだけ上回っている程度なのでなんだかんだ言いながらANAもそれなりの偏差値を記録しています。

表17

安全性 総合順位

  • 1位:JAL(偏差値:66)
  • 2位:ANA(偏差値:58)

財務の健全性に関してはJALの圧勝です。

ただANAの財務基盤が割と弱めで、それと比べてJALの財務基盤がまともなレベルだったというだけのような気もします。

表5

チーム力 総合順位

  • 1位:ANA(偏差値:64)
  • 2位:JAL(偏差値:61)

ここまで押され気味だったANAですがチーム力に関してはJALに勝っています。

表13

個人技 総合順位

  • 1位:JAL(偏差値:64)
  • 2位:ANA(偏差値:61)

ただ個人技となるとJALが1位に返り咲いています。

印象としてはANAは会社全体としての規模の大きさで勝負していて、JALは商売の効率性の高さで勝負している感じです。

表4

総合順位

  • 1位:JAL(偏差値:64)
  • 2位:ANA(偏差値:60)

最終的にはJALが僅差でANAをかわしての1位となっています。

各項目の順位を見るとANAが優れているのは事業規模だけで、それ以外はだいたいJALの方が優れています。

各社の特徴をまとめると以下のようになります。

表20
  • ANAより強い点:利益性・コスト効率・財務の健全性・個人技
  • ANAより弱い点:チーム力
表15
  • JALより強い点:チーム力
  • JALより弱い点:利益性・コスト効率・財務の健全性・個人技

⑨志望動機として使えそうな点

JAL

総合的な会社のクオリティが高い、いわゆる優良企業である点

事業規模ではANAに及ばないこの会社ですが個人技の強さを始めとしたあらゆる面でANAよりも優れています。

特にしっかりとした財務基盤を有しながらも利益効率が高いという点では優良企業であると言えるので、「優良な航空会社で働きたい」という人にとってはピッタリの環境だと思います。

ANA

業界最大手である点

総合的にはJALに及ばないこの会社ですが、事業規模は国内最大であることを確認してきました。

なので「最大手の看板を背負って働きたい」という人の方がこちらの会社には向いていると思います。

これまでまとめてきた事項は数字を元にした会社の実態ではありますが、より正確に実態を掴むためにも説明会で質問してみたり実際に社員の人に会ったりして、調べた情報とズレていないかどうかを確認してみた上で、ESや面接で使用することをおすすめします。