大手ファーストフードチェーン運営会社の違いを数字で比較

カテゴリ:飲食業界
ES研究所 2018年12月01日
フライドポテト

 

ここでは日本の大手ファーストフードチェーン運営会社の

  • ・日本マクドナルドホールディングス(以下:マック)
  • ・日本KFCホールディングス(以下:KFC)
  • ・モスフードサービス(以下:モス)

の3社を有価証券報告書に記載されている事柄から比較することで、イメージではなくその企業ひいてはその業界の「事実」の確認が出来ればと思っています。

目次

  1. 主要子会社・関連会社の比較
  2. 事業規模の比較
  3. 安全性の比較
  4. 利益性の比較
  5. コスト&研究開発費の比較
  6. 従業員1人あたりの売上&利益の比較
  7. 事業セグメントの比較
  8. まとめ
  9. 志望動機として使えそうな点

①主要子会社・関連会社の比較

表21
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②事業規模の比較(単位:百万円)

表11

売上 順位

  • 1位:マック
  • 2位:KFC
  • 3位:モス

純利益 順位

  • 1位:マック
  • 2位:モス
  • 3位:KFC

事業規模では比較にならないほどにマックが圧倒的に1位です。

KFCとモスは売上高では僅差ですが、純利益となると最新年度ではモスが大差をつけて2位となっています。

(直近3年平均でもKFCよりもモスの方が純利益は多いです。)

③安全性の比較

表4

流動比率 順位

  • 1位:モス
  • 2位:KFC
  • 3位:マック

自己資本比率 順位

  • 1位:モス
  • 2位:マック
  • 3位:KFC

財務の健全性はモスが両方とも1位となっています。

マックは流動性は低いけれども自己資本は割と充実しており、KFCはどちらともフツーな感じです。

④利益性の比較

表10

純利益率 順位

  • 1位:モス
  • 2位:KFC
  • 3位:マック

3年平均だとマックはマイナス転化しています。

これは3年前の2016年度に大幅な赤字を計上したためです。

そしてこの3社の中では絶対値はそこまで高くないものの、モスが純利益率では抜きん出ています。

ネットFCF 順位

  • 1位:モス
  • 2位:KFC
  • 3位:マック

売上高は最下位のモスがネットFCFにいたっては2位にだいたいトリプルスコアをつけての圧勝です。

マックは全然自由なお金がないようです。

実質設備投資/営業CF 順位

  • 1位:モス
  • 2位:KFC
  • 3位:マック

マックの自由資金が少ないのは設備投資にかなりお金を注ぎ込んでいるためのようです。

モスはマックの半分以下の設備投資費で済んでいます。

在庫回転率 順位

  • 1位:マック
  • 2位:KFC
  • 3位:モス

ただマックの在庫回転率は圧倒的で、モスが在庫を1回転させる間にマックは10回転させているというトンデモナイ差になっています。

⑤コスト&研究開発費の比較

表24

販管費/売上 順位

  • 1位:マック
  • 2位:KFC
  • 3位:モス

研究開発費/売上 順位

  • 1位:マック
  • 2位:モス
  • 3位:KFC

設備投資にはめちゃくちゃお金がかかっていたマックですが、コストは全然かけていないようです。

KFCとモスは同じくらい。

⑥従業員1人あたりの売上&利益の比較

表26

売上/従業員(単位:百万円) 順位

  • 1位:マック
  • 2位:KFC
  • 3位:モス

在庫の回転も速ければ個人技での売上額も大きいマック。

一人あたりに換算するとい一年間で9,800万円の売上を挙げています。

KFCもそれなりに頑張っていますが、マックには水を開けられています。

営業利益/従業員(単位:百万円) 順位

  • 1位:モス
  • 2位:KFC
  • 3位:マック

ただ営業利益となるとモスが他の2社に対して圧倒的な力の差を見せつけています。

逆に売上では強かったマックは利益は全然なようです。

1人あたり営業利益/売上 順位

  • 1位:モス
  • 2位:KFC
  • 3位:マック

売上と営業利益の力関係がモロに出ています。

利益効率という面では全般的にモスがかなり強いようです。

⑦事業セグメントの比較

日本マクドナルド

表16
表23
表2

単一セグメントなので取り立てて言うことはないのですが、敢えて言えばパッと見では本当に同じ事業をしているのかと思うほど毎年の営業利益率にバラツキがあり、大手と言えどもこの3年間は不安定なように見えます。

日本KFC

表3
表18
表30

「KFC」
チキン、サンド、ドリンク等及び食材ならびにカップ、パッケージ等の包装資材の生産、販売
「ピザハット」(2018年度に事業を他社に売却)
ピザ、ドリンク等の生産、販売
「その他」
チキン、ピザ等の製品に係る広告宣伝事業等、投資持株会社、総合商社、ライセンス契約管理会社、持分法適用関連会社

一年前まではピザハット事業も営んでいたようですが、数値を見るとあまり儲かっていないらしく、おそらく選択と集中の結果他社に売却したようです。

そして本業のイメージが強い「KFC」は売上貢献度は年々上がっていっているものの、それに反比例して利益貢献度は下がっていっており、直近年度ではただの金喰い虫になってしまっています。

代わりに直近では「その他」がガンガン台頭してきており、この事業があるおかげで会社が保っているような印象です。

これらのことからこの会社はもはや「ファーストフード会社」というよりは「投資会社」や「商社」という方が適切なのかもしれません。

モスフード

表17
表14
表22

「モスバーガー」
モスバーガー等の運営、食品製造販売事業、アグリ事業
「その他飲食」
喫茶、レストラン
「その他」
食品衛生検査業、金銭貸付業、保険代理業、レンタル業、グループ内アウトソーシング事業

何をどう見ても「モスバーガー」が本業となっており、「その他飲食」は目下リストラ対象に入っているのではないかと思います。

ただ営業利益率では「その他」が圧倒的な効率性を示しているため、店舗数が頭打ちになったならばこちらの事業を伸ばしていく可能性が高いものと思われます。

海外売上比率なのですが3社ともほぼ日本で商売をしており、敢えて言えばこの3社の中ではモスが海外展開が一番進んでいるようです。

ただそもそもマックとKFCは外資系が本家なので、国際的な認知度はモスよりもはるかにあると思います。

今回はあくまでも「海外の本家とのフランチャイジー契約をしている日本法人」という括りの中で比較していますので、悪しからず。

表19

⑧まとめ

これまで見てきた 社の順位を「利益性」「コスト」「安全性」「チーム力」「個人技」の括りで下記します。

※各数値の偏差値を基準として順位を算出しています。偏差値の平均は50です。

※平均以下の項目を赤字で示しています。

表1

利益性 総合順位

  • 1位:モス(偏差値:59)
  • 2位:マック(偏差値:55)
  • 3位:KFC(偏差値:36)

モスは事業規模ではマックに遠く及びませんでしたが、その他諸々の効率性でポイントを稼いでいった結果、総合では1位になっています。

一覧にして見てみるとマックは規模感で優勢ですが効率面で劣勢で、逆にモスは規模感で劣勢ですが効率面で優勢なことがハッキリとわかります。

KFCは中道を進み続けた結果、いまいちパッとせずと言った感じです。

表6

コスト 総合順位

  • 1位:マック(偏差値:62)
  • 2位:モス(偏差値:51)
  • 3位:KFC(偏差値:37)

設備投資費ではかなりのお金を使っていましたがその他のコスト効率の良さがプラスに働いた結果、マックが1位となっています。

表13

安全性 総合順位

  • 1位:モス(偏差値:64)
  • 2位:KFC(偏差値:44)
  • 3位:マック(偏差値:42)

財務の健全性ではモスが2位以下に大差をつけて1位となっています。

マックとKFCは同じくらいなようです。

表5

チーム力 総合順位

  • 1位:マック(偏差値:62)
  • 2位:モス(偏差値:50)
  • 3位:KFC(偏差値:38)

純利益率では他の2社に劣るものの、圧倒的な事業規模がプラスに働きマックがチーム力では1位になっています。

モスのチーム力はフツーくらいのようです。

表9

個人技 総合順位

  • 1位:モス(偏差値:64)
  • 2位:KFC(偏差値:44)
  • 3位:マック(偏差値:42)

ただ個人技ではモスは圧勝で1位となっています。

そしてチーム力ではかなりの差があったマックとKFCですが、個人技ではそこまでの差がなく、むしろマックは利益面で大きく劣後した結果KFCに追い抜かれています。

表8

総合順位

  • 1位:モス(偏差値:61)
  • 2位:マック(偏差値:52)
  • 3位:KFC(偏差値:37)

売上と販売コストに関する項目では3社の中では劣後するものの、それ以外の項目で軒並み高得点を獲得した結果、総合ではモスが1位となっています。

そしてマックはモスと逆の理由で2位となっており、総合的に見てみると3社の中では意外と「フツーな会社」という印象です。

KFCに関しては各順位の変動はあまりないのですが、同時に特筆して良いところが無かった結果、最下位ということになっています。

各社の特徴をまとめると以下のようになります。

表15
  • 強み:事業規模、チーム力、(販売の)コスト効率
  • 弱み:財務の健全性、個人技
表20
  • 強み:特になし
  • 弱み:チーム力、個人技、コスト効率
表25
  • 強み:利益性、個人技、財務の健全性
  • 弱み:特になし

⑨志望動機として使えそうな点

日本マクドナルド

事業規模の面では業界最大手という点

効率性では微妙ですが、誰がなんと言おうと業界最大手としか言いようがないのがこの会社の最大の特徴です。

なので「業界最大手の看板を背負って働きたい」という人には最も向いているかもしれません。

日本KFC

もはや「ファーストフード会社」ではなく「投資会社」や「商社」と言える点

売上高の面では「ファーストフード」がメインに見えるのですが、その内実は「投資」や「商社機能」などがメイン事業となっているのがこの会社の特徴です。

なので「ファーストフード会社に就職したい」という人よりは「投資会社や商社に就職したい」という人の方が、この会社には向いているかもしれません。

モスフード

大手3社の中では会社のクオリティがトップである点

事業規模ではマックに遠く及びませんが、総合的なクオリティは3社の中ではトップなのがこの会社の特徴です。

なので「業界最優良企業で働きたい」という人にとっては最も向いているかもしれません。

これまでまとめてきた事項は数字を元にした会社の実態ではありますが、より正確に実態を掴むためにも説明会で質問してみたり実際に社員の人に会ったりして、調べた情報とズレていないかどうかを確認してみた上で、ESや面接で使用することをおすすめします。