もくじ
1.はじめに
こんにちは。エントリーシート研究所の金野です。最近の悩みは友人に会うたび顔が死んでいると言われることです。就活中は印象が大切ですので、みなさん表情には気を付けてくださいね。さて、今日は就活生に人気の鉄鋼業界を業界研究(主に、新日鐵住金やJFEスチールなどの高炉メーカー)していきたいと思います。
2.鉄鋼業がアツい理由
ずばり、鉄鋼業が「アツい」理由は以下の通りです。
(1)日本の基幹産業の1つである!
イメージがわかない人もいるかもしれませんが、鉄鋼は日本の基幹輸出品目です。日本の鉄は、質が高く、技術力もあるため、競争力があります。2014年には、日本で自動車に次いで2番目に外国に輸出されています。日本の鉄鋼生産量が世界2位だった(2013年)ということも納得ですね。
(2)日本の鉄は海外で勝負できる数少ない商材である!
衣服など労働によって作られる商品は新興国で安く大量に作られるようになっています。しかし、鉄の生産には労働力に加え、技術と生産資本が必要です。技術とは、これまで基礎研究に支えられてきたより丈夫で加工しやすく劣化しにくい鉄を作る技術のことです。また、生産資本とは工場のことです。工場(生産プラント)を作るのにも莫大な費用がかかりますが、保守(メンテナンス)にも莫大な費用がかかります。新興国はまだ鉄を生産して日が浅いため技術に乏しく、また、まだお金をあまり持っていないので生産資本も多くありません。そのため、日本の鉄は、商材の品質の面において海外の廉価商品にも勝ち、外貨を獲得することが出来るのです。
(3)社会基盤を支えることができる!
私たちの身の回りにある金属製品のおよそ90%は鉄でできていると言われています。確かに、鉄は自動車からビルの建設、家電などあらゆる場面で使われていますよね。そのため、鉄はあらゆる産業の基盤であり、その製造に携わることは、私たちの生活の基盤を支えることに繋がるといえると思います。
(4)そもそも鉄自体がすごい!
鉄には地球の質量の約3分の1を占めており、他の金属より圧倒的に多く存在しているという特徴があります。価格も安いです。また、リサイクル性が高く、まだまだ引き出せていない、多くの可能性を秘めている素材であると言われます。
(5)将来性もある!
鉄鋼需要が世界的に伸びているからです。特に、経済成長が著しい新興国での需要が好調なようです。
3.鉄鋼業界の現状
次に、鉄鋼業界の現状をみていきましょう。鉄鋼業界には、高炉メーカー、普通鋼電炉メーカー、特殊鋼電炉メーカーなどがあります。
こうやってみると、たくさん企業もありそうだし、鉄鋼業界は競争が激しいのかな…というイメージを持つ方もいると思います。確かに競争は激しいと思いますが、やはり高炉メーカーの力が強いです。そのなぜならば、鉄鋼製品の元となる粗鋼はその3/4が高炉メーカーで作られており、特殊鋼も普通鋼も作ることができるためです。なお、高炉メーカーでは以下のような割合で粗鋼が作られています。これには、後述する各社の有する高炉の数も関係しています。
4.大手3社を知る
上述の通り、日本の鉄鋼業界(高炉メーカー)は大手3社による寡占状態にあります。そのため以下では大手3社を比較していきたいと思います。平均年収は年収ラボを参考にしました。
(1)新日鐵住金
【新日鉄住金の基本情報】
新日鐵住金は、2012年10月に、新日本製鐵と住友金属工業が経営統合し誕生した会社です。国内第1位、世界第2位の粗鋼生産能力を持っており、現在は「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」をめざし、事業を展開しています。公開されている年収は現場の技術職の方々の年収も含むもので、VORKERSによると新卒で採用される本部社員の年収は、事務系入社8年目で800-900万円、35歳前後で1000万に到達するそうです。
(2)JFEスチール
【JFEスチールの基本情報】
2003年4月に、当時国内粗鋼生産量2位の旧日本鋼管と3位の旧川崎製鉄の統合によって誕生したのがJFEスチールです。「世界有数のグローバルサプライヤー」をめざし、海外での現地生産を含めた積極的な事業規模の拡大を進めています。
(3)神戸製鋼所
【神戸製鋼所の基本情報】
新日鐵住金やJFEスチールと違い、神戸製鋼所には機械事業や溶接事業、アルミ・銅事業など鉄鋼以外の事業の割合が大きいという特徴があります。鉄鋼業に興味があるけど、他にもやってみたいことがある、、、という方におススメです。
5.まとめ
いかがでしたか?最近は中国や韓国企業の生産力増強の影響で世界の鉄鋼市場の状況があまり芳しくないと言われていますが、鉄鋼業界はスケールが大きく、ロマンがあるという点でもとても魅力的だと思います。なお、大手3社はリクルーター面談があるのと思われます(2016卒はありました)。そのため、選考を受ける方は、いつどんな名称で呼び出されても最高のパフォーマンスができるよう、しっかり準備していきましょう。