もくじ
1.はじめに
こんにちは、エントリーシート研究所の三浦です。
私はB to B中心の就活をしたことで、世の中には自分の知らない企業が数多く存在し、社会を構築していることを知りました。
今回は、社会を”モノ”の面から支える業界の1つ、「電線メーカー」の魅力を紹介します。
また、国内大手電線メーカー3社、いわゆる電線御三家(住友電工・古河電工・フジクラ)の特色・違い・選考情報についても理解を深めていただけると幸いです。
2.そもそも電線メーカーとは??
皆さんは、「電線」と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか?
私は就活を始めるまで、「街中で空を見上げると、よく電線にカラスが留まっているなあ」くらいのイメージしかありませんでした笑
しかし、いざ調べてみると、様々な分野において、重要な役割を果たしていることがわかりました。
以下に、電線業界の”モノづくり”が社会においてどのような役割を担っているかを紹介します。
・情報通信(光ファイバーなど)
近年、国内のインフラ老朽化や新興国の開発などにより、需要が伸びている分野です。
ひとくちに「光ファイバー」と言っても、その過程には様々な技術が必要です。
代表的なものとしては、光ファイバーの材料であるガラス管、光ファイバーを束ねてケーブルにするための光融着接続機、レーザーの制御回路などが挙げられます。
こういった高度な技術を組み合わせてできる光関連製品は、Iot社会を支える「高速・大容量通信」の基盤となっています。電線御三家(住友電工・古河電工・フジクラ)はそれぞれ光関連でトップシェアの製品を有し、この分野で世界を牽引する存在であると言えます。
・自動車(ワイヤーハーネス・運転支援システムなど)
日本のお家芸の1つである「自動車産業」においても、電線メーカーは重要なポジションを有しています。
まず1つは、「自動車電装」の分野です。自動車のボンネットを開けると、内部に無数のケーブルのようなものが張り巡らされていることに気づくと思います。
これは「ワイヤーハーネス」と呼ばれる電気配線で、車内の電気・信号などを伝達する役割を果たしています。
(ワイヤーハーネスに興味のある方は、電線御三家の他にも、矢崎総業という自動車部品メーカーも調べてみると良いかもしれません)
もう1つは、「運転支援システム」の分野です。具体的には、周辺情報の検知レーダーや信号・交通状況から最適な速度を指示する無線システム等があげられます。
自動車産業において電線メーカーが担当する”モノづくり”は、近年脚光をあびている「自動運転技術」において重要な役割を果たしています。
そのため、国内外の完成車メーカーとやりとりをするなかで自動車の未来を切り開く、極めてやりがいのあるお仕事ができる分野だと考えています。
・エレクトロニクス
エレクトロニクス、いわゆる電子関連産業においても、電線業界は重要なポジションを占めています。
具体的には電子回路基板・セラミックス材料などです。
これらは、スマートフォン、パソコンや自動車など多くの領域で活用される技術であり、様々な領域のメーカーとやり取りができる、面白い分野であると思います。
・エネルギー
電力をはじめとするインフラ事業においても、電線メーカーは重要な役割を担っています。
具体的には、海底ケーブルを用いた長距離・大容量送電システムや鉄道の信号ケーブルなど、国内外のインフラを支える技術を数多く有しています。
また、風力発電をはじめとする再生可能エネルギー事業においても、電線メーカーのケーブルが用いられています。
エネルギーの有効活用に関心がある学生さんにとっては、「いかにエネルギーを伝達するか」という角度から、持続可能社会の実現に貢献できる分野であるため、大変やりがいのあるお仕事だと思います。
3.電線御三家比較
以下に、国内大手3社、いわゆる電線御三家(住友電工・古河電工・フジクラ)の特色・違いについて紹介します。
・住友電気工業株式会社
日本最大級の非鉄金属メーカーです。
住友財閥の銅事業を基礎に、モノづくりからシステムまで幅広い領域でのビジネスを行っています。
自動車事業が主力となっており、軽量化に対応したアルミハーネス、次世代自動車の開発などに力を入れています。
日本を代表する大企業ながら、少数精鋭主義をとっていることも魅力的です。
新卒入社1年目であっても責任ある仕事が任されるだけでなく、若手の海外トレーニー制度も充実しています。
2018年卒の場合、リクルーター面談が4回・面接が2回行われ、人柄をじっくりと見た上で選考を行っている印象でした。
住友電工のリク面では、志望動機・自己PRをかなり深掘りされるため、しっかりと準備をしてから臨むことをお勧めします。
また、若手・中堅・ベテランの各世代のリクルーターの方からお仕事について詳しく聞けたため、大変勉強になりましたし、楽しかったです。
・古河電気工業株式会社
古河グループ(富士通・横浜ゴム・日本軽金属・日本ゼオンなど)に属する非鉄金属メーカーです。
光ファイバートップシェア3社に、アメリカ・イタリアの会社とともに名を連ねています。また、グループ内の技術融合による次世代自動車の開発にも力を入れています。
・フジクラ株式会社
「“つなぐ”テクノロジー」をモットーに掲げ、情報通信分野に強みを持つ独立系のメーカーです。
1970年に光ファイバーの開発を始めてから、画期的な技術を数多く開発しています。
特に、光融着接続器はフジクラが世界シェアNo.1を獲得しています。
電線御三家唯一の独立系メーカーであり、グループの枠にとらわれることなく様々な企業とやりとりができることも魅力的です。
2018年卒の場合、GD1回→人事面接→部長面接→最終面接という流れでした。
人柄・興味関心ともにマッチング重視の選考を行っているとのことで、部長面接では興味のある分野の営業部長とお話しする機会をいただけました。
営業職の仕事をきちんと理解した上で志望していることを期待されていた印象だったので、「なぜ・どんな仕事をして、どう成長したいのか」を言語化してから面接に臨むことをお勧めします。
4.終わりに
いかがだったでしょうか?
「電線」というと地味な印象を持ちがちですが、私は様々な分野で高い技術力を発揮している魅力的な業界だと考えています。電線御三家を併願する就活生の方は、それらの違いを理解した上で、選考に臨んでみてください。