アパレル大手の違いを数字で比較

カテゴリ:アパレル業界
ES研究所 2018年04月15日
カジュアルな服を着た男女

ここでは日本のアパレル大手の

  • ・ファーストリテイリング(以下:ファストリ)
  • ・しまむら
  • ・ユナイテッドアローズ(以下:Uアローズ)
  • ・オンワードホールディングス(以下:オンワード)

の4社を有価証券報告書に記載されている事柄から比較することで、イメージではなくその企業ひいてはその業界の「事実」の確認が出来ればと思っています。

目次

  1. 主要ブランドの比較
  2. 事業規模の比較
  3. 安全性の比較
  4. 利益性の比較
  5. コスト&研究開発費の比較
  6. 従業員1人あたりの売上&利益の比較
  7. 事業セグメントの比較
  8. まとめ
  9. 志望動機として使えそうな点

主要ブランドの比較

表9
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事業規模の比較(単位:百万円)

表5

売上 順位

  • 1位:ファストリ
  • 2位:しまむら
  • 3位:オンワード
  • 4位:Uアローズ

純利益 順位

  • 1位:ファストリ
  • 2位:しまむら
  • 3位:Uアローズ
  • 4位:オンワード

圧倒的なファストリの事業規模。

1兆8,000億円分の服を売っていることになります。

純利益でも他3社の追随を全く許しません。

安全性の比較

表3

流動比率 順位

  • 1位:しまむら
  • 2位:ファストリ
  • 3位:Uアローズ
  • 4位:オンワード

自己資本比率 順位

  • 1位:しまむら
  • 2位:オンワード
  • 3位:ファストリ
  • 4位:Uアローズ

事業規模では安定の2位だったしまむらですが、財務は4社の中では飛び抜けて健全だということがわかります。

しまむらは圧倒的ですが、他の3社も財務はそこまで問題ないようです。

利益性の比較

表17

純利益率 順位

  • 1位:ファストリ
  • 2位:しまむら
  • 3位:Uアローズ
  • 4位:オンワード

オンワードだけは純利益率が低いですが、他はだいたい同じくらいのようです。

ネットFCF 順位

  • 1位:ファストリ
  • 2位:しまむら
  • 3位:オンワード
  • 4位:Uアローズ

事業規模の影響でやはりファストリが圧倒的1位でしまむらがそれに続きます。

実質設備投資/営業CF 順位

  • 1位:ファストリ
  • 2位:しまむら
  • 3位:オンワード
  • 4位:Uアローズ

4社ともあまり変わりません。

在庫回転率 順位

  • 1位:しまむら
  • 2位:ファストリ
  • 3位:オンワード
  • 4位:Uアローズ

在庫回転率とは「商品の仕入れから販売に至るまでの速さを示す指標」で、1年間に商品が何回転したかを表しています。

計算式は「売上高÷たな卸資産」です。

単純に解釈するとこの数字は高ければ高いほど商品がよく売れ、逆に低ければ低いほど商品があまり売れていないということになります。

しまむらの圧倒的な在庫回転率の大きさが目立ちます。

2位との差は約2倍です。

他の3社のそれは同じくらいということを見ると、しまむらの仕入れと売り方の秀逸さが際立ちます。

コスト&研究開発費の比較

表11

販管費/売上 順位

  • 1位:しまむら
  • 2位:ファストリ
  • 3位:Uアローズ
  • 4位:オンワード

販管費とは正式には「販売費及び一般管理費」と言い、ざっくり言うと人件費・広告宣伝費・運送費などの商品を販売するのにかかった費用のことです。

しまむらが他の3社と比べて販管費のコストをかなり抑えていることがわかります。

研究開発費/売上 順位

  • 1位:ファストリ・しまむら・Uアローズ・オンワード

4社とも研究開発費は計上していません。

従業員1人あたりの売上&利益の比較

表15

売上/従業員(単位:百万円) 順位

  • 1位:しまむら
  • 2位:オンワード
  • 3位:ファストリ
  • 4位:Uアローズ

営業利益/従業員(単位:百万円) 順位

  • 1位:しまむら
  • 2位:ファストリ
  • 3位:Uアローズ
  • 4位:オンワード

1人あたり営業利益/売上 順位

  • 1位:ファストリ
  • 2位:しまむら
  • 3位:Uアローズ
  • 4位:オンワード

ここでもしまむらの優秀さが際立っています。

1人あたりの利益率は1位をファストリに譲っていますが、従業員1人あたりの売上と営業利益では圧倒的な数値を叩き出しています。

事業セグメントの比較

ファストリ

表19
表21

売上構成を見ると国内ユニクロと海外ユニクロが半々くらいですが、利益構成では国内ユニクロの方が絶対的な基盤となっていることがわかります。

ただ何だかんだ言いながら海外展開を成功させていることは良い点だと思います。

しまむら

表2
表14

思いっきりドメスティックな企業であることがわかります。

ファストリと違い、海外展開は全く進んでいないようです。

Uアローズ

表6
表16

この会社も日本での売上構成が全体の90%を超えるのでかなりドメスティックな企業だと言えるでしょう。

オンワード

表20
表8

この会社はユニクロと同じく海外展開を進めているようですが、かなり苦戦している様子です。

売上構成と利益構成を比較すると、もはや海外展開はやめた方がいいんじゃないかと思えてきます。

まとめ

これまで見てきた 社の順位を「利益性」「コスト」「安全性」「チーム力」「個人技」の括りで下記します。

(総合点と平均が低ければ低いほどこの項目について「優れている」ということになります。)

表12

利益性 総合順位

  • 1位:ファストリ
  • 2位:しまむら
  • 3位:オンワード
  • 4位:Uアローズ

ファストリ圧勝かと思われたこの項目ですが、実際はしまむらとの僅差で競り勝っています。

事業規模こそ圧倒的な大きさを誇っており、その点ではリードしていたのですが個人技の項目でしまむらに巻き返しを食らったようです。

表13

コスト 総合順位

  • 1位:ファストリ・しまむら
  • 2位:Uアローズ・オンワード

同率1位でファストリとしまむらです。

2社とも安定して優等生な印象。

表10

安全性 総合順位

  • 1位:しまむら
  • 2位:ファストリ
  • 3位:オンワード
  • 4位:Uアローズ

ついに1位に躍り出たしまむら。

財務の健全性はファストリに2倍以上の差をつけて圧勝です。

表7

チーム力 総合順位

  • 1位:ファストリ
  • 2位:しまむら
  • 3位:Uアローズ
  • 4位:オンワード

概ね事業規模の項目と変わらない順位です。

あらゆる面からファストリのチーム力が高いことがわかります。

表4

個人技 総合順位

  • 1位:しまむら
  • 2位:ファストリ
  • 3位:Uアローズ・オンワード

チーム力ではファストリに完敗だったしまむらですが、逆に個人技では圧勝です。

Uアローズとオンワードは項目ごとにバラツキがありますが総合すると個人技は同程度の強さのようです。

表1

総合順位

  • 1位:しまむら
  • 2位:ファストリ
  • 3位:オンワード
  • 4位:Uアローズ

そして総合順位では各項目でまんべんなく1位か2位をマークしたしまむらがファストリに競り勝って1位ということになっています。

ファストリは利益性では優秀なのですが、財務の健全性や個人技の項目が全体の足を引っ張ったようです。

大きく分けると「しまむら対ファストリ」「オンワード対Uアローズ」という構図のライバル関係が浮き出てきます。

各社の特徴をまとめると以下のようになります。

ファストリ

  • 利益性:1位
  • コスト:1位
  • 安全性:2位
  • チーム力:1位
  • 個人技:2位
  • 総合:2位
  • ・事業規模は4社の中で圧倒的に大きい
  • ・コストもちゃんと抑えている
  • ・財務的には割と健全
  • ・チーム力も圧倒的に強い
  • ・海外展開に成功している

しまむら

  • 利益性:2位
  • コスト:1位
  • 安全性:1位
  • チーム力:2位
  • 個人技:1位
  • 総合:1位
  • ・コストはかなり抑えてある
  • ・4社の中で圧倒的に在庫回転率が高い
  • ・財務は超がつくほど健全
  • ・個人技がスバ抜けて強い
  • ・かなりドメスティックな企業で、海外展開は進んでいない

Uアローズ

  • 利益性:4位
  • コスト:2位
  • 安全性:4位
  • チーム力:3位
  • 個人技:3位
  • 総合:4位
  • ・4社の中では全体的に各数値が見劣りする
  • ・こちらもかなりドメスティックな企業

オンワード

  • 利益性:3位
  • コスト:2位
  • 安全性:3位
  • チーム力:4位
  • 個人技:3位
  • 総合:3位
  • ・4社の中では「安定の3番手」と言った印象
  • ・海外展開はしているが、苦戦中の様子

志望動機として使えそうな点

ファストリ

事業規模、チーム力が日本トップである点

日本を代表するアパレル企業の看板を背負って働きたい」という大手志向の人には向いているかもしれません。

海外展開に成功している点

海外で働きたいという人には向いているかもしれません。

しまむら

あらゆる面で総合的に優れている点

事業規模うんぬんは除いて純粋に優良企業で働きたいという人や、安定した企業で働きたいという人には向いているかもしれません。

Uアローズ

アパレル大手4社の中では総合的に見劣りがする点

事業規模や利益性、コストなどあらゆる面で見劣りがするこの会社ですがそれを逆手にとらえると、まだ伸びしろが十二分にあると言うことも出来ます。

なのでベンチャースピリットを持って会社とともに成長していきたいと考えている人には向いているかもしれません。

オンワード

海外展開に苦戦している点

ファストリと同じく海外展開は進めていますが、ファストリと違って苦戦中のこの会社。

売上は一定割合あるため簡単には撤退しないと思われるので、この会社は海外事業を何とかして好転させたいと考えていると推測します。

なので会社側の需要にマッチするために「海外で働きたい意志が強くあること」などをアピールしていくのが良いのでないかと思われます。

これまでまとめてきた事項は数字を元にした会社の実態ではありますが、より正確に実態を掴むためにも説明会で質問してみたり実際に社員の人にあったりして、調べた情報とズレていないかどうかを確認してみた上で、ESや面接で使用することをおすすめします。