もくじ
1. はじめに
自己分析や企業説明会においては、当落(勝敗)の判別はされない。しかし、ESやwebテスト、グループディスカッションや面接となると、通過・不通過、合格・不合格といった判断をされる。この時になってようやく『就活が思うように行かない』という事実をつきつけられる。
そこで、ここでは、就活で思うように成果が出ない時の3つの理由について解説する。
2. 就活が思うようにいかない3つの理由
就活が思うような成果を伴って進捗しない時、その原因は往々にして以下の3点に集約できると言える。
就活という求職者と求人を出している企業がマッチングするための仕組みを踏まえ、原因を追求し、解説する。
■ やってない
ここでいう『やってない』とは努力の投入量が不十分ということである。
就活における鉄のルールは
- 『就活の成果=内定数』
- 『選考参加数×通過率=内定数』
である。ESも面接も、就活というシーンになって突然要求される特殊なコミュニケーションの仕方なので、ある程度の量をこなさなければ思うように出来るようにはならない。きちんとESを書いたり、面接を受けに行ったりすることに時間を投入することもなしに思うような成果はあげられない。
日本におけるファーストキャリアの人生に対する影響力はほとんどの就活生がなんとなく気付いている。誰だって高待遇で仕事も面白そうな人気企業からの内定は欲しいのだ。しかし、企業の内定の椅子は有限だ。この椅子取りゲームに勝ちたければ努力の投入量はある程度必要になる。熾烈な競争の中で、努力もせずに成果があがるほど就活は甘くはない。
■ やり方が間違っている
ここでいう『やり方が間違っている』とは努力の投入”先”が間違っているということである。具体的には、自己分析や企業説明会への参加、OB訪問等にばかり時間を浪費し“就活をやった気”になり、肝心の3つの力(考える、読み書き、話す聞く)を向上させることとKPI(ESの提出と面接への参加)に時間を使ってない場合、努力の投入先が間違っているため、成果が思うように出ない。
就活というゲームには就活生と人事の2プレイヤーしか登場しない。それぞれの目的を整理すると
- 就活生のゴール
- → 行きたい企業に行く
- 採用担当のゴール
- → 優秀で辞めない学生を所定数入社させる
である。人気企業においては
内定の椅子の数<志望する就活生の数
となるから、採用担当者が選ぶ側、就活生は選ばれる側の立場となる。
この時、採用担当者は、目の前の就活生が
- ■ 優秀であるか
- →自社の採用基準を満たす能力を有するか
- ■ 価値観が合うか
- →ちゃんと入社し、辞めずに成長し続けていけるか
の2点を満たすかどうかを
- 初期スペック(学歴・資格≒考える成果)
- webテストの成果(考える成果)
- ESのレベル(読み書きの成果)
- 面接(GD)のレベル(話し聞くの成果)
の4つから、ジャッジしている。従って、就活における努力の投入先は
- 1. 考える力
- 2. 読み書きの力
- 3. 話す聞くの力
の3点を伸ばすことである。企業説明会やOB訪問にばかり躍起になっていても就活の成果である「第一志望郡の内定数の最大化」には一切寄与しない。上記3つの力を高めることは決して楽ではないが、就職活動の構造上、これらの能力を高めることなしに成果に近づくことは難しい。
■ 運が悪い
以上の2点を十分に満たしているにも関わらず、成果が思うように伴わない時は、”運の悪さ”が原因となっている可能性がある。「ここに来て“運”かよ!それを言っちゃあおしまいだ!」と思うかもしれないが、就活は良し悪しを決める軸が“人”に紐付いてしまうため、運の要素は完全に排除することは出来ない。例えば、面接やグループディスカッションにおける評価者がすごく評価に偏りがある評価者であったり、たまたま集団面接で一緒になった就活生がものすごく出来る人材ばかりだったりなどである。
評価基準が曖昧で主観性を残す就活においては、完全な必然のもとに内定を獲得することは難しい。少なからずの運要素もあって成果があがってしまう。この”運”が時に追い風になる時もあれば、思わぬ落とし穴となることもある。だからこそ、試行回数を担保するために、一定の数以上の選考参加が必要となるのだ。就活において運の要素は排除できない。しかし、運だけで成果をあげられるようなシロモノではない。十分な努力量を正しい投入先に投じているならば、いつかきっと成果は出る。
3. まとめ
いかがだったろうか。
就活に行き詰まった時、就活で思うように成果が出ない時は、
- ■ 十分な努力は出来ているか?
- ■ 正しい努力は行えているか?
- ■ 運の要素はなかったか?
に対して振り返りをし、軌道修正を試みて欲しい。大企業への就職がすべからく幸福を意味するとは言わないが、就活は人生に1回しか無く、人生におけるインパクトは決して小さくないイベントだ。少しばかり思うようにいかないからといって匙を投げ出すのではなく、もう一度、向き合って挑戦してみて欲しい。