就活で業界は絞るべきか、絞らない方が良いか?と合理的な業界の絞り方

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カテゴリ:就活の基本戦略
ES研究所 2017年02月22日
業界は絞るべきか、絞らないべきかのイメージ画像

はじめに

就職活動を始めると、

『業界は絞ったほうが良いのか?』

という疑問があがってくるかと思います。大学のキャリアカウンセラーなどは絞ることを勧めてくる。

一方で、人気企業から複数内定を獲得する先輩は明らかに業界を絞っていないという現象がこうした不安を生んでいるのではないかと思います。

そこで、今回は『志望業界を絞るべきか?絞らないべきか?』について解説していきます。

志望業界を絞るべきか?絞らないべきか?

当サイトの見解としては『業界は絞るべきだが、絞り方が通常と違う』というものになります。一般的には志望度の高い2〜3業界に絞って就活を進める形になると思います。

しかし、そうではなく『この業界・企業からしか内定が出なかったとしても行かないな。』という業界・企業を外して、それ以外の企業は全体的に選考に参加していくことをおすすめします。

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志望業界を絞るデメリット

『志望業界を絞る』という選択をする就活生の目的は次の2パターンに分類することができます。

  • (1)周りに流されてなんとなく
  • (2)選考参加社数を減らすことで一社あたりの就活に掛けられる時間を増やして通過率を高める

(1)周りに流されてなんとなく

このタイプは、そもそも『就活では業界を絞らなければならない』と無根拠に思い込んでいるか、『キャリアカウンセラーや先輩から勧められた』と、周囲のアドバイスを鵜呑みにしてしまって、就活に対して自分の頭で考えて行動できていないパターンの就活生です。ぜひこの記事を一読の上、業界の絞り方を再検討して貰えるとうれしいです。

(2)選考参加社数を減らして通過率を高める

このタイプは、選考に参加する企業の社数を減らすことで1社あたりにかけられる時間を増やし、それによって通過率を高めることで志望企業からの内定を獲得しようと考えているパターンです。こちらの考えは理にかなっているようなのですが、ある前提条件が崩れると成立しない戦略なのです。

業界を絞るときの前提条件

内定獲得数=選考参加社数×選考通過率

となることは理解してもらえると思います。

業界を絞ることで前者の選考参加者数を減らし、一方で、選考通過率を高めることで最終的な内定獲得数を増やそうとしているわけですが、選考通過率が思ったより上がらない場合、この『業界を絞る』という戦略は成立しません。そして往々にしてこの戦略が成立しないことを説明していきます

業界を絞っても選考通過率が高まらない4つの理由

では、なぜ選考参加社数を減らしても通過率が高まらないかについて、解説していきます。理由は以下の4つです。

他の業界を理解することで志望業界への理解が高まるから

全ての産業はつながっています。例えば今みなさんが使っているスマホ。これ1つとっても、

スマホが消費者の手に渡るまでに関わる業界

  • ガラスやステレンス等の素材を作るビジネス(素材メーカー)があり、
  • それを運ぶビジネスがあり(海運・流通)があり、
  • 素材から部品を作るメーカーがあり(部品メーカー)、
  • 部品からスマホを作るメーカーがあり(機械メーカー)、
  • それぞれのメーカーの売買を代行するビジネスがあり(商社)、
  • 通信インフラを整備し皆さんに使ってもらえる様にするビジネスがあり(通信業界)、
  • そもそもこれらのビジネスを展開する投資金を集める機関があったり(証券)、
  • 資金の貸出を行う機関があったり(銀行)

と、スマホ1つとっても様々なビジネスが有ります。更にいえば、各種アプリやwebサービスはこのスマホを使ってより人々の生活を豊かにしようとしていますよね。

この様に社会において全ての産業は繋がっています。だから他の業界についてESや面接というアウトプットを前提とした業界分析を行うことで、結果的に志望業界・企業への理解が深まることになるわけです。従って、内定を獲得していないうちから業界を絞るのではなく、様々な業界にエントリーする(プレエントリーではなくESを提出する)ことをおすすめします。

企業が採用したいのは自社マニアではなく志望度の高い優秀な人材だから

企業は自社の利益最大化のために採用を行います。利益を最大化する人材とは売上を上げる人材か、費用を下げる人材のどちらかです。

その上で、人事は『内定受諾率』(内定を出した学生のうち何%を入社させられたか)というノルマを課されているため、上記の優秀さを満たした一定の志望度を持った学生に内定を出します。

この前提に基づくと、別にその学生が自社について沢山の知識を持っているからといって内定を出すわけではありません。

『なぜ他の企業・業界ではダメなのか?』という質問に対して、必要十分な回答ができるだけの知識、志望理由の確からしさ(上辺じゃない感)を作り出す知識があれば十分なんです。

志望業界・企業の知識を増やせば内定に近づくと勘違いしている就活生は少なくありませんが、企業が採用したい人材は『自社マニア』ではなく自社の利益に貢献する優秀な人材

この前提にたてば、企業研究はある程度のレベルで十分で、むしろ、自分の優秀さを人事に伝える自己PRや志望企業の準備、面接の対策に時間を使ったほうが内定率は遥かに高まります。

ESの文字数と面接の持ち時間は決まっている

ESの文字数は『XX文字以内』と一定文字数以内に定められている場合がほとんどです。また、面接の時間も長くても60分、短ければ5分といった長さです。究極に短いのはキーエンス1次面接は20秒での自己PRのみです。

このように自分の能力と志望度の高さをアピールできる文字数・時間量は限られているため、そもそもマニアックな企業の知識は伝える機会がありません。

従って、企業・業界研究に投じる時間が一定点を超えると通過率に対しての影響がほとんど無くなるというモデルが成り立ちます。知識を増やすことも重要ですが、相手に伝える能力(ES,面接)を伸ばす方に時間を使うことが重要です。

現場の面接官はそんなに自社の取り組みを知らない

1次面接や2次面接で面接官を担当するのは人事ではなく現場の社員であることが多いです。しかし、大企業の現場の社員は分業化された業務の一部を担当しているにすぎません。

自社の方向性(海外展開や高齢者マーケットの獲得など)については理解しているものの、個々の取り組みや成り立ちまでは理解していないことがほとんどです。みなさんもバイト先の事業の取り組みなんて殆ど知らないですよね?それと同じです。だから、面接で細々とした知識に基づいて志望理由を話されても、現場の面接官にはあまり響かないんですよね。

じゃあどうやって就活する業界を絞ればいいか?

冒頭の内容と被りますが、ここまでを踏まえて業界の絞り方を再度提案します。

合理的な業界の絞り方

最も合理的な業界の絞り方は『第一志望群に限定して受けること』

です。ここでいう第一志望群の定義は『行きたいな〜』というソフトな欲求に基づくものではありません。何を持って第一志望群とするかは以下に定義します。

第一志望群の定義

『その企業1社からしか内定が貰えなかった時に、入社すると判断できる企業』

のことをいいます。

今総合商社を志望してても、メガバンクからしか内定をもらえなかったら受諾するという学生は少なくないのでは?今は化粧品業界を志望してても、優良素材メーカーからしか内定を貰えなかったら入社するという学生は少なくないのではないでしょうか?であれば、それらの業界・企業は第一志望群に含まれると考えて良いはずです。

この業界の絞り方をすすめる理由

そもそも内定を貰ってないと入社することはできないのに、内定獲得前にどの企業に行くべきかを考える意味はありません。大手企業に入るだけでも難易度は高く、その中でも人気企業への入社は極めて難しいです。

例えば、食品業界大手の味の素の倍率は約350倍。従って、合格率は約0.3%弱。総合商社の丸紅の倍率は約100倍。優秀層しか受けない中で合格率は1%です。

まずは内定を貰えるだけ貰い、その上で十分な自己分析とOB訪問の上内定先を決めれば良いと思います。人事は『内定受諾率』のノルマがあるため、一度内定を出した学生にはこれでもかというエース級や上級役職の人材へのOB訪問をすすめてくれます。内定獲得前のOB訪問にはMARCH以上限定ですがビズリーチ・キャンパスがおすすめです。

『業界を絞るべきか?』のまとめ

いかがだったでしょうか。ここまで業界を絞るべきかどうかについて解説してきました。結論としては、『第一志望群は全て受けにいく』という内容です。言い換えると、「その会社からしか内定を貰えなかった時にそれでも入社しない。」 と思うような業界は受けなくてもいいけど、それ以外の業界・企業は極力受けたほうがいいということです。業界の絞り方も合理的に行い、納得の行く就活を送れることを祈っています。