もくじ
1. はじめに
就活をはじめると最初にやれと言われるのが自己分析。だけど、この終わりの見えない自己分析にハマってしまい、「はじめてはみたけど、自己分析が終わってない」まま就活に突入し、終わってしまう就活生は少なくない。そこで、今回はこのページでは、「就活の自己分析には、目的・方法が異なる2つの自己分析がある」ことを解説するよ。このページでは、
- 就活における学生の立場には2つのものがある
- 目的と方法が異なる2つの自己分析がある
ことの2つが伝わればOKです。
2. 就活生には2つの立場が有る
就活の目的と達成方法で伝えたように、企業から内定が獲得できなければその企業に入社することは出来ない。この鉄のルールが存在する以上、就活における大学生の立場は以下の2つに分けることが出来る。
- ■ 就活生
- ■ 内定者
就活生という立場とはなにか?
就活生という立場は約55万の就活生から、企業に「自社の採用基準に対して、数ある学生の中で最もふさわしい学生」として選ばれる立場にある。自らの強みとスタンスを人事に伝え、企業側の定めた採用基準を満たすことができれば内定が言い渡される。内定が獲得でき
なければその企業に入社することは出来ないから、この段階の就活生は、
- どの企業が自分にあっているか?
- よりも
- どうすれば企業から内定を獲得できるのか?
について考えて判断し、行動する必要がある。行けるかどうか分からない企業に対していくべきかどうかを考える行為が重要だと言えるのだろうか?
内定者という立場とはなにか?
就活生は内定を通知されると「内定者」という立場に変わる。採用担当者にとって、「内定受諾率(内定を出した学生のうち、何%の学生が自社に入社してくれたか)」は重要な指標となるため、一度内定を出した学生には何が何でも自社に来てもらわなければ困ってしまうんだ。
- 「◯◯ 社の内定を断るとコーヒーや牛丼をかけられる」
- 「オワハラ(就活終われハラスメント)」
という言葉が出るほど、一度内定を出した学生に辞退をされるということは人事・採用担当者にとってあってはならないことなんだ。内定者の立場になると、今度は「この間までは企業に選ばれていた学生が企業を選ぶ」という立場になる。「学生が企業を選ぶ」などというと謙虚さに欠けた考えのように聞こえるかもしれないが、企業は学生を採用基準の下にドライに切り捨てることが出来て、学生(雇われる側)はそれが出来ないというのはおかしい。従ってこの段階の学生(内定者)になってはじめて
内定を獲得した企業のうち、どの企業に入社するのが一番良いか?
という問いに対して考えることが最優先事項となる。この問に対して自分にとって納得の行く判断を下すために必要な情報をwebやOB訪問等を通じて獲得し、納得の行く決断をすることになる。行けることが確定している企業に対して、行くべきかどうかを考える行為だから、現実的で重要な思考だと言える。
3. 自己分析にも2つの目的がある
就職活動において学生は2つの姿を持つことになる。これに伴って自己分析も2つの目的・方法を持つことになる。
就活生が行うべき自己分析
就活生という選ばれる立場にいるときは
「どうすれば企業から内定を獲得することが出来るのか」
という論点の下、判断と行動を行っていかなければならない。
企業から内定を獲得するには
- 自分の強み(他の学生と比べてどこがどう優れているか)
- 自分のスタンス(答えのない問に対する自分なりの価値基準)
が人事に伝わり、その上で、その企業の定める採用基準を満たさなければならない。(参考:就活生が自己PRを書く前に読んで欲しい話 )
従って、就活生の立場における自己分析の目的は以下のようになる。
《就活生の自己分析の目的》
- 1. 自分の強みが何かを分かること
- 2. 自分のスタンスが何かを分かること
- 3. 上記2つを他人に伝わる様な言葉/論理まで落としこむこと
まず、就活生にとっての自己分析の目的は自分の強みとスタンスがどのようなものなのかを知ることにある。次に、それを他人が聞いて分かるような言葉に落とし込み
- ■ なぜ自分の強みが◯ ◯ であると言えるのか?
- ■ なぜ自分のスタンスが××であると言えるのか?
という、「自分の強みは◯ ◯だ」、「自分のスタンスは××だ」という自分の主張が正しいものであるということを他人に伝えるための“論理”、説明を考えなければならない。ES・面接の場面で自らの強みとスタンス伝え切っていくことで内定を獲得していくために、
強みとスタンスを明らかにし
他人に伝わる言葉と論理に落とし込むこと
が、就活生という立場で行う自己分析の目的となる。
内定者が行うべき自己分析
内定を獲得し、就活生から内定者へと立場が変わると、内定を獲得した企業には「行きたい」と判断すれば入社することが出来る。だから、
「内定を獲得した企業のうち自分はどの企業に入社すべきなのか」
という論点の下、判断と行動を行っていくことになる。
「自分にとって最適な企業はどれか」という判断を下していくためには、以下の情報を整理しなければならない。
《自分についての情報》
- 自分の在りたい姿( what to be)
- それを実現するための条件と計画(how to be)
《企業についての情報》
- 各企業の強みとスタンス
- 各企業のキャリアプラン
- 各企業の待遇
上記は「自分にとって最適な企業はどれか」に対して納得する結論を得るために、
- 自分がどんな人間で、どんなことがしたいのか
- そのためにどんな条件を満たす必要があるのか
- 各企業がどんな会社で、自分にとってどこがどう魅力となるのか
を分かるために、整理しなければならない情報だね。企業についての情報は、『内定後に行うべき企業分析の仕方』といったタイトルの記事で後述するとして、自分についての情報について解説する。
一生に1回しか無く、その後40年のキャリアに大きく影響を与える新卒で入社する会社を選ぶに際し、自分がどんな人間でどんなことをしたいのかを明らかにしておく必要がある。
<自分の在りたい姿( what to be) >
- 【生産】
- どこの誰にどんな価値を
- どんな風に提供し
- どれほどの報酬を受け取りたいのか
- 【消費】
- どんなことにその報酬を使いたいのか
- (どんなものとその報酬を引き換えるのか)
<実現するための条件と計画(how to be)
- “上記を実現するためにどんなステップを踏み、
- どんな能力やスキルをつけたいのか
といった切り口から、自分の将来ありたい姿と、そのための経路図を描き、そこに最もフィットする、かつ居心地の良さを感じる企業に入社するという決断をしていくことになる。
2つの自己分析の図解
2つの立場と2つの自己分析を下記に図解しておく。
4. 2つのリスクを混同する危険性
就職活動を行うにあたり、内定者が行うべき自己分析、つまり「自分にとって最適な企業はどこか?」を判断するための「自分はどうなりたくて、そのためにはどんな道のりが必要なのか?」という自己分析は、就活生の段階でも行うこと自体は悪いことではない。
しかし、繰り返しとなるけれど、内定を獲得できなければ企業には入社できない以上、『どうすれば内定することが出来るのか?』という観点の下、「自分の強みとスタンスは何で、どんな言葉と事例で伝えれば他者に伝わるのか」という自己分析を行い、それをESや面接を通じて相手に伝えられるようになるための準備は就職活動において欠かすことは出来ない。
この準備を怠れば『行きたい企業は分かったけれど、内定を獲得できなかったので入社することが出来ない』という本末転倒な事態が起こってしまう。更に、自分で納得する努力を行えていないので、就活に対する不完全燃焼感だけが残ってしまう最悪の結末を迎えてしまう可能性がある。
5. まとめ
どうだったかな?このページで説明したことについて解説するよ。
これらの自己分析を混同し、行けるかどうか分からない企業のうち、どこが自分に一番あっているかというあまり価値の無い思考に時間を費やすことは避けた方が良い。