1. はじめに
このページでは、自己PRと同様、就職活動を行う上で絶対に向き合わなければならない志望動機の考え方について解説するよ。
多くの就活生にとって自己PRよりも志望動機の方が書く難易度が高い。自分のことを(最悪”盛る”という手段を用いても)書けばよかった自己PRに対し、企業はそもそも”知る=情報収集”からはじめる必要がある。そして、そもそもあまり選考に参加している企業を志望していなくても志望動機を書かなければならない場面がある。
この
- ■ 自分のことじゃないよくしらないものについて書く
- ■ 本音では第一志望ではない
という2点が「自己PRは書けるけど志望動機が書けなくて…」という就活生を増やしてしまっている。
だからこそ、伝わる志望動機が書ければ他の就活生に対して圧倒的なリードを生むことが出来るんだ。
ここでは
が伝わればOKだよ!
2. 企業は志望動機を通じて何を知りたいのか?
企業の立場から見ると
志望動機は、目の前の就活生の優秀さ”と”志望度”を図るためのもの
になるよ。
【“企業は優秀さを測っている”】
志望動機とは、言い換えると「なんでウチに来たいのか?」というシンプルな質問の答えになるね。だけど、1人の人間が数ある企業の中から特定の1社を選んだ理由は、様々な理由が複合的に絡み合い、他人に分かるように伝えることは非常に難易度が高い。
この志望動機を
- ■ 聞き手に分かりやすく
- ■ 聞き手が納得出来るように
伝えることが出来る就活生は、
- 論理的思考能力(納得できる内容を考える力)
- コミュニケーション能力(分かりやすく伝える力)
が高いと言える。
従って、エントリーシートや面接の「志望動機は何か?」という質問を通じて、「この候補者は“優秀”か?」が測られている。
【“企業は志望度を測っている”】
何度も言うように、企業にとって新卒採用は高くて長い買い物だ。だから、採用担当者にとって、内定を出す人材は、その瞬間に”優秀”で、かつ、”高いポテンシャル”を有している必要があるのは言うまでもない。だけど、これらに加えて、採用担当者は次の3点も測らなければならないんだ。
採用担当者が能力以外に測らないといけないこと
- ■ 内定を辞退せずに、入社してくれるか?
- ■ 入社後も高いモチベーションで仕事を行い、成長し続けてくれるか?
- ■ 採用・育成の投資を回収できるだけの期間、働き続けてくれるか?
■ 内定を辞退せずに、入社してくれるか?
人事や採用担当者にとって、内定を出しておきながら、人材を他社に取られてしまうというのは最もあってはならないことの1つなんだ。
人事の成果は
- ■ なるべく少ない予算で
- ■ 要件を満たし、なるべく優秀な人材を
- ■ 計画通りの人数
を採用することにある。もちろん過去の採用実績から一定割合の内定辞退が発生することは織り込んでいるよ。でも、あまりにも多くの内定辞退を食らい、計画の採用人数に満たないということは採用担当者としてあってはならない。人材不足は数年後、数十年後の会社の未来に大きく影響するからね。
また、内定を出す=自社で価値を発揮して欲しいと認めた優秀な人材を、みすみす他社に奪われてしまうことが多ければ、採用担当者として「営業力」が乏しいと判断されてしまう可能性がある。だから、いくら優秀でも内定を辞退しそうな学生には内定を出すことは出来ない。
■ 入社後も高いモチベーションで仕事を行い、成長し続けてくれるか?
目の前の内定者は、入社後、長ければ定年退職を迎える40年近くをその会社で働き、過ごすことになる。企業としては、社員にはモチベーション高く働いてもらい、勤続年数に伴った成長を遂げてもらい、より高いポストや難易度の高い業務に従事させなければ、あっというまにポストが埋まってしまう。
でも、40年も働いて行く中で、
- ● あまりやりたくない部署への配属
- ● あまり相性の良くない上司部下との協働
- ● 同じ部署で同じ仕事に長年従事すること
- ● 家庭内トラブル等仕事以外での様々な障害
等、モチベーションの維持が難しくなる場面は容易に想定される。こういう時に、「どうしてこの会社を選んだのか」を働く人自身が認識していなければ、”踏ん張り”が効かず、“ぶらさがり社員化”や退職を引き起こしてしまう。
だから、「何故、数ある企業からその会社に行くことを決断するのか?」という問いに対しての明確な答えを持てない学生に内定を出すことは出来ない。
■ 採用・育成の投資を回収できるだけの期間、働き続けてくれるか?
採用には大きなコストが掛かっている。内定通知後の内定者研修や社員を起用してのフォロー、入社後の新人研修もコストを伴って行われる。現場に配属になってもすぐに、売上利益に貢献できる新入社員は多くない。
リクルートやDeNA、Greeや楽天等、比較的早期に採用コストを回収できる企業も増えてはきているが、まだまだ、3年、5年、10年コストをかけて育てた社員がようやく売上・利益を創出するという会社も多い。だから、人事は「この人は◯年後、投資を回収するまで自社で働いてくれるだろう。」という判断するに値する、明確な志望動機を伝えられない人材に内定を出すことは出来ないんだ。
これら3つの観点から
目の前の就活生が何故、自社への入社を何故?本当に志望しているのか?
をエントリーシートと面接を通じて測る必要があるんだ。
これは
- 1. どの程度自社について正しく知っているのか?
- 2. 就活生にとって自社が”ベストの選択肢”となるのが妥当な就活の軸があるか
の2点を中心に測っている。
3. 就活生は志望動機を通じて何を伝えるべきなのか?
じゃあ、今度は就活生の立場から「就活における志望動機とはどのようなものなのか?」について考えてみよう。
就活生は志望動機を通じて
- ■ 志望する企業は他の企業と何がどう違うと考えているのか?
- ■ その違いが、何故自分にとって最も魅力的といえるのか?
の2つを企業に伝える必要があるよ。
1. 他の企業との違いを伝える
「その会社がどのような会社なのか」を知らずに、その会社を志望することは出来ないよね。人は「どんな存在なのかよくわかっていないけど、その集団に入りたい」と思うことは不自然だし、その状態で入りたいと思っても、その気持ちは間違っているかもしれない。企業としても採用のミスマッチは避けたいから、自社がどのような企業なのかをきちんと理解している学生でなければ志望動機に対して納得することは出来ないよね。だから、志望動機を通じて「志望する企業の特徴的な違い」を伝える必要がある。
2. “志望する企業の特徴的な違い”が何故自分にとって魅力的なのか
その企業がどんなものなのかを伝えるだけでは、マッチングには至れない。自己PRを通じて、自分の特徴的な違いを説明し、志望動機の一部を通じて志望する企業の特徴的な違いを説明する。その上で、「Aという特徴(強み)を持つ自分は、Bという特徴的な違いを持つ貴社だからこそ業績に貢献し、自らも成長できる。なぜなら~」と、両者の唯一無二の相性の良さを説明なければならないんだ。
ただ、「自分はAで、貴社はBだ」という事実を述べるだけでは、「だから何なんだ?」という結論のないコミュニケーションになってしまうね。だから、志望動機を通じて、志望する企業がどのような企業なのかに加えて、自分自身と何故相性が良いのかについても伝えなければならないんだ。
4. 志望動機の書き方はどのようなものか?
じゃあ、そんな重要な志望動機はどうやって書けばいいのか?これまでの説明を踏まえると、下記の順番で書くのが合理的だよ。詳しい志望動機の書き方は以下にリンクした別のページに譲るので、是非読んでみてね。
【志望動機を書く手順】
- 1. その企業と他の企業との違いを分かる(企業研究をする)
- 2. 自分がその企業を”数ある選択肢から選択する”理由を整理する(考えを整理する)
- 3. それらを文章に落としこむ(言葉にして文章にする)
5. まとめ
どうだったかな。このページでは
の2つを理解してくれていればOKだよ!
繰り返しになるけど、志望動機はどうしても話の抽象度が高くて自己PRとくらべて書く難易度も伝える難易度も高い。でも、それは君だけじゃなく他の就活生も同じように「志望動機が書けない」と苦戦している。だからこそ、しっかり志望動機を伝えられるようになることで他の就活生に大きな差をつけることが出来る。
頑張ろうね。