IR(投資家情報)の見方と効率のよい企業研究のやり方

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カテゴリ:志望動機の書き方
ES研究所 2016年07月08日
IRを使った企業研究の仕方

もくじ

1. はじめに

このページでは、前回の『就活生が企業研究をする前に読んで欲しい話』で説明した、

  • ■ その企業が他の企業には無い位大切にしているスタンス
  • ■ その企業が他の企業を圧倒して持っている強みと弱み

を分かるために、具体的な企業研究のやり方を行えばいいのかについて解説するよ。

従って、ここでは、

どうすれば企業研究を通じて、志望企業の特徴的な違いを分かることができるのか?

について理解してくれればOKです!

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2. IRとは何で、なぜIRを使うのか?

就活生が企業研究を行おうとするとき、往々にして以下の5つの方法で行うと思う。

【一般的な企業研究の仕方】

  • 1.企業説明会への参加
  • 2.OB訪問
  • 3.採用HPを読む
  • 4.企業の公式HPを読む
  • 5.企業の関連書籍を読む

確かに一般的だと思うけど、これらの方法は「志望企業と他の企業との違いを分かるために必要な情報収集を行う」上では決して有効だとは言えない。

社員との接触がない企業説明会は「企業のCM」にして「就活生の精神安定剤」にすぎない。
OB訪問は「実際にどのような人が働いているのか?」という情報を唯一入手出来る一方で、それ以外の情報を入手するのには効率が悪いし、非公式な情報となってしまうので情報の正確さにおいては他に劣る。

採用HPや公式HPにかかれていることは、他の学生も容易に入手できる情報に過ぎないし、志望企業と他の企業との違いを分かるためには情報量が不足してしまう。

関連書籍に関しては、確かに他の学生や志望度(その企業の選考参加優先度)が低い学生は手を出しづらいが、情報を収集するのに時間がかかりすぎてしまい非効率だ。また、関連書籍を読破したからといって志望企業と他の企業との違いを分かるために必要な情報が十分に獲得できるとは限らない。

そこで登場するのがIR(「投資家情報」)だ。

IRとは

株主に対して的確な経営情報を提供するための活動の総称。具体的には、決算や事業に関する説明会の開催、年次報告書など資料の作成、ホームページ上の情報開示など。対象は投資家や証券アナリストが中心だったが、現在では個人投資家向けのIR活動も増えている。株主総会を広義のIR活動と位置づける例も増えている。

熊井泰明(証券アナリスト)

IRとは、上記の引用説明にもあったように、IRとは上場企業が投資家のために企業が開示することを義務付けられた資料のこと。採用HPや公式HPには『企業が就活生や世の中に知ってもらいたい事実や考え』が書かれている。だけど、IRには企業ができれば知られたくない情報も含め、『投資家や社会が知る権利を持つ情報』が書かれている。

だから当然、情報の質も量も、採用HPや公式HPよりも高く、より中立的だと言える。更に、ムダな情報は排除され、本当に伝えるべきことだけが厳選されている。より短い時間で志望企業と他の企業との違いを分かるために必要な情報収集を行おうとするとき、このアイテムを使わない手は無いよね。従って、企業研究を行うときは必ずIRに目を通すようにしよう。

3. IRはどこをどう読めば良いのか?

IRを使って企業研究を行うときは

  • 中長期的経営計画
  • セグメント分析

の2つを読むようにしよう。(※企業によっては項目の名前が異なる場合もある。)

3-1. IRは【中長期経営計画】を読む

その企業が、5年後、10年後に、どの事業を伸ばし、どの事業を伸ばさないのか、どうやって社会に価値を提供し、売上を作り、利益を残して株に還元していくのか?について書かれている箇所がここ。

国内で基盤を固めるのか、海外に出て行くのか?出るとしたらそれはどこなのか?今ある事業を磨きこむのか、新規事業を行うのか?行うとしたらどのようなものを、どうやって行っていくのか?など、その会社がこの先どういう方向に舵を切っていくのかについて書かれているので、必ず読んで理解しよう。

その会社の5年後、10年後にやりたいことや在りたい姿を理解することができれば、自ずと5年後、10年後にはどんな人材に活躍を期待し、ひいては、今どんな人材を新卒で採用するべきかの仮説を立てることが出来るはずだよ。

電通の中長期経営計画

電通の中長期経営計画

出典: 電通IR情報

3-2. IRは【セグメント分析】を読む

その会社の売上や利益の内訳が書かれている箇所がセグメント分析だ。

セブンアンドアイHLDSのセグメント分析

セブンのセグメント分析

出典: セブンアンドアイホールディングスIR情報

  • どの事業が大きな売上を持っているのか
  • どの事業が最近成長しているのか

をセグメント分析からは知ることが出来る。

企業や状況によって、

  • ■ 今売上の大きな事業
  • ■ 今大きく成長している事業

のどちらに優先的に人を配置するのかについては、変わってくる。だけど、その企業において、どの事業が最も売上に対して影響力が大きいのか、どの事業が最も成長しているのかは志望企業と他の企業との違いを分かるために必要な情報だから、きちんと抑えておこう。

また、ここで収集した情報をそのままにするのではなく

  • 1. なんで売上が大きいのか?(成長しているのか?)
  • 2. だから何なのか?(この事実から何が言えるのか?)

という2つの質問に対して自分なりの答えを整理しておこう。志望企業と他の企業との違いを分かるには、単に売上やシェアの大小を知ることでは足りない。その会社のどういうスタンスや強みがそういった成果に至らせたのかを理解しなくちゃだめだよ。

4. IRの読み方のまとめ

どうだったかな。ここでは、

  • 志望する企業が大切にしているスタンス
  • 志望する企業の強みと弱み

を分かるために必要な情報を、効率よく取りに行くために、

IRの中長期経営計画を読む
→志望企業が向かおうとしてる方向性を理解する
IRのセグメント分析を読む
志望企業における『大きな事業』と『成長している事業』を理解する

ことが伝わっていればOKです!

ただし、上記で説明したIRの箇所から手に入れられる情報だけでは
『その企業が他の企業とどこがどう違うのか』を分かるために十分な情報は入手できない。
上記を十分に理解するためには、その企業が、

  • ■ 志望企業がスタンスを貫いて大きな経営判断をした事実
  • ■ 志望企業が強みを発揮することで大きな成果をあげた事実
といった情報を入手することが必要だよ。

これらの事実の情報を収集する方法は次の『新聞を読まない圧倒的に効率の良い企業研究のやり方』を読んでね!