もくじ
- はじめに
- ESの質問に答えられない理由
- ESの質問に答える4つのSTEP
- 質問で聞かれていることを整理する
- 回答のアウトフレームを先に作る
- 要素の関係性を整理して内容を埋める
- 十分な情報を追加しつつ推敲する
- まとめ
1.はじめに
ESでは主に自己PR(ガクチカ)と志望動機を聞かれることが多い。しかし、この2つ以外の質問や様々な制約を設けて書く難易度を高めた形で自己PRを聞かれることも多い。そこで、ここでは『ESの自己PRと志望動機以外の質問の書き方と答え方』について解説する。ここでは、
『ESの独自の質問には何をどう答えればいいか』
について理解してもらえれば良い。
2.ESの質問に答えられない理由
ESの質問に答えられない理由は
- ■ 何を書けばいいか分からない
- ■ どう書けばいいか分からない
の2つであることが多い。従って、この2つを整理することで、ESの独自の質問への答え方が見えてくる。ここでは実際に『味の素冷凍食品』のエントリシートを参考例に使ってエントリシートの質問の書き方を解説する。このESは最終的には自己PRの内容になるが、質問文に様々な制約が設けられているため、通常の自己PRに比べ、書く難易度が上がっている。
3.ESの質問の答え方4STEP
(1)質問で聞かれていることを整理する
『■何を書けばいいか分からない』という課題を解消するため、まずは「聞かれていることは何か?」を整理し、「答えなければならないことは何か?」をリストアップする。
【味の素冷凍食品のES】
あなたは当社でどのような仕事をしたいと考えていますか。希望する具体的な仕事内容と、その仕事を希望する理由について、当社の特徴を踏まえた上で具体的に記述をお願いたします。(300文字以上500文字以下)
この質問文を要素に分けて整理をすると
- ◯当社でどのような仕事をしたいか?
- ◯希望する具体的な仕事内容はどのようなものか?
- ◯当社の特徴は何と考えるか?
- ◯それを踏まえ、仕事を希望する理由は何か?
の4点が聞かれていることとなる。従って、回答文の中には必ずこれら4点の回答を盛り込まなければならない。しかし、これによって答えるべきことは明確化されたので『■何を書けば良いか分からない』という課題は解消される。
(2)回答のアウトフレームを先に作る
次に、『■どう書けばいいか分からない』という課題を解消するためにアウトフレームを先に作る。上記で整理した4つの質問の回答を必ず盛り込むように、回答文のアウトフレームを作成する。具体的な内容は後から埋める。例文は下記である。
【必要な回答のアウトフレーム】
私は貴社でAの仕事をしたいです。Aの具体的な仕事内容はBと考えます。私は貴社の特徴はCと捉えています。これを踏まえると、Dと考えられるため、貴社のAの仕事を希望致しました。
(3)要素の関係性を整理して内容を埋める
アウトフレームを作成したら、記号で仮置きした要素の関係性も整理する。
【要素の整理】
- BはAの具体的内容だからA=Bの関係
- DはCの特徴を踏まえるから、CだからDの関係
- DはAをやりたい理由だから、CだからDで、DだからAの関係
これらの要素を整理したら、具体的な内容を各要素に入れていく。この時、要素と入れ替えた具体的内容が上記で整理した関係性を崩さないように注意すること。例えば、具体的内容に置き換えた時、AとBが同じ内容を意味していない等。以下が必要な回答だけを盛り込んだ回答文である。
【必要な回答の具体例】
私は貴社で「営業」の仕事をしたいです。営業の具体的な仕事内容は「商品をしかるべき人々に届ける、課題解決につなげること」と「売り場や消費者の本質的なニーズを捉え、解決策を生産サイドに提案し動かすこと」と考えます。私は貴社の特徴は「生活者に寄り添った商品力」と捉えています。これを踏まえると、自らの強みを活かせる営業を通じ、多くの人々の食生活をより豊かなものに出来ると考えたため、貴社の営業の仕事を希望致しました。(205文字)
(4)十分な情報を追加しつつ推敲する
必要な情報だけを盛り込んだ回答だと、205文字と文字数が足りず、回答としても伝わる情報が少ない。この場合は、内容の推敲を行いつつ、アウトフレームに
- ◯採用担当者が知りたい(興味がある)
- ◯自分の強みや価値観が伝わる
の2つを満たす情報を追加していく。必要な情報は全てすでに盛り込まれているので、あとは補足となる情報を追加して、回答として分かりやすく、十分な情報が伝わるものにする。
具体例として先程のESの回答に対し
- ◯何故Aの仕事の具体的内容をBと捉えたのか?
- ◯味の素冷凍食品の特徴をCと捉えたのは何故か?
の2点の回答を追加する。すると、アウトフレームは以下の様になる。
【十分な回答のアウトフレーム】
私は貴社でAの仕事をしたいです。Aの具体的な仕事内容はBと考えます。私がAをBと捉えるのはXだからです。私は貴社の特徴はCと捉えています。私はこれをY等の事例に見出しました。これを踏まえると、Dと考えられるため、貴社のAの仕事を希望致しました。
アウトフレームを整理したら、具体的な内容を再び入れる。
【十分な回答の具体例】
私は貴社で「営業」の仕事をしたいです。営業の具体的な仕事内容は「商品をしかるべき人々に届ける、課題解決につなげること」と「売り場や消費者の本質的なニーズを捉え、解決策を生産サイドに提案し動かすこと」と考えます。私がこのように考えるのは、営業とは消費者や売り場等の市場と直接対峙する存在であり、その接点を活かして様々な関係者を巻き込んで課題解決や新しい価値の創造を実践する役割だと考えているからです。私は貴社の特徴は「生活者に寄り添った商品力」と捉えています。私はこれを■■ や■ ■ といった商品が~という点において簡便でおいしく、安全性にも十分配慮されていることにこれを見出しました。これを踏まえると、自らの強みを活かせる営業を通じ、多くの人々の食生活をより豊かなものに出来ると考えたため、貴社の営業の仕事を希望致しました。(360文字)※■ ■ は具体的な商品名で、~はその商品の特徴や機能を入れる。
以上で360文字となった。(※商品名や機能項目を入れるとやや文字数は増える)300~500文字という規定の文字数に収まり、聞かれていることに答え、伝わりやすくなる様に具体的な情報も盛り込んでいるため、完成だと言える。
4.ESの質問の答え方のまとめ
いかがだったろうか。ESの自己PRや志望動機以外の答え方についてまとめる。
エントリシートにおいてやってはいけないミスは
- ■そもそも回答に答えられてない(回答内容が違う)
- ■回答の内容が伝わらない(結論の要素の関係性が不明瞭)
- ■伝わった内容のレベルが低い(当たり前で表面的なことが書いてある)
の3つ。これらを回避し、納得の行く回答を相手に伝えられるように、是非上記の方法を実践してみて欲しい。