1.はじめに
こんにちは!エントリーシート研究所の伊藤です。食品業界は製品がイメージしやすく、非常に人気が高いため、志望する学生が多いことで有名です。しかし、食品企業の多くはBtoCのビジネスモデルであり身近であるがゆえに、会社ごとの役割や働き方を見落としがちになってしまうことが多い傾向にあると感じます。そこで今回は、食品業界の中でも普段目にする機会が少ないBtoBの食品企業についてお話ししていきます。
2.食品業界を3つのグループに分けてみた
食品業界と一口に言っても、その中身は大きく分けると
- 原料メーカー
- 最終製品メーカー
- 食品卸
の3つのグループに分かれます。
例えば“パン”を生産し、消費者に提供するまでの役割の違いを説明すると、
<食品業界のバリューチェーン>
- 原料メーカー
- 小麦を小麦粉にして売る
- 最終製品メーカー
- 小麦粉を練り、パンを焼き上げる
- 食品卸
- パンを小売店に売る
になります。
そしてこの中の1.原料メーカー を食品BtoB企業といいます。
(BtoBとは法人相手のビジネスを行っていることをさします。)
3.BtoB食品企業の特徴
先ほど述べた通り、BtoBとは法人相手のビジネスを行っている企業のことです。
それに対し、個人相手のビジネスを行っている企業のことをBtoCといいます。
具体的に例を出すと、BtoB企業は大衆における知名度の低い日清製粉やJ-オイルミルズ、
BtoC企業は大衆における知名度の高い山崎製パンやカゴメなどです。
特徴としては、
- ・特化した技術を持っており、特定のジャンル(香料や油脂などのジャンル)でシェアを占有していることが多いので売上利益が安定している
- ・BtoC企業に比べ知名度が低いので、BtoC企業よりも倍率が低い
- ・営業の場合は、研究部門と二人三脚で製品開発をすることがある
などがあります。
4. BtoB食品企業はどんな学生におすすめか?
ズバリ“安定志向の、縁の下の力持ち”タイプです。「原料メーカー」という特徴を持つため、最終製品の品質を保つべく、原料もある一定の品質や規格を守りつづけなくてはなりません。製品内容を急激に変化させてしまうと、様々な取引先との調整が難しくなるため、安定した製品の供給が求められます。また、企業名は表に出ませんが、取引先企業が多いため、様々な製品の開発に少しでも関わることが出来る点はやりがいにつながるでしょう。
BtoB食品企業はホワイト企業が多いワケ
また、BtoB企業は一度顧客に入り込むと簡単に切り替えづらいという特徴があります。従って、トレンドや企業イメージに左右されやすい(良くも悪くも)BtoCの食品企業と異なり、BtoBの食品企業は経営が安定します。よって、
- ■ 競争が多くない
- ■ 大きな資本を持っている(企業が沢山の財産を抱えている)
- ■ 価値の源泉が人ではなくモノ
であることから、BtoBの食品企業にはホワイト企業が多く存在している可能性が高いのです。
5.主要なBtoB食品企業
今回は5つの食品ジャンルに分けて、そのなかで主要なBtoB食品企業をお話しします。
売上は2024年度時点を掲載しています。また平均年収は年収ラボを参照しました。
<包装>
エフピコ
- 【売上高】554.93億円
- 【資本金】13,150百万円
- 【平均年収】401万円
- 【主な製品】食品トレー
食品トレーのシェアは60%にのぼります。 食品の魅力を最大限に活かすための器である「トレー」の開発は、食品会社と共同で行うこともあるそうです。
<油脂>
ADEKA
- 【売上高】930.64億円
- 【資本金】230億4,814万円
- 【平均年収】715万円
- 【主な製品】情報・電子化学品などの化学製品やマーガリンなどの油脂
化学製品と食品、2つの柱を持つ企業です。
<香料>
高砂香料
- 【売上高】92億円
- 【資本金】186,792百万円
- 【平均年収】512万円
- 【主な製品】香料やファインケミカル
国内1位の香料メーカーです。食品と香粧品の香料を扱っていますが、こちらは医薬品中間体(ファインケミカル)の合成にも注力しています。
長谷川香料
- 【売上高】167.09億円
- 【資本金】53億6485万円
- 【平均年収】715万円
- 【主な製品】香料や食品添加物
国内第2位の香料メーカーです。食品の香料だけでなく、香粧品(化粧品や香水など)まで広く手掛けており、その中でも食品の香料(フレーバー)に注力しています。
6.おわりに
いかがだったでしょうか。食品BtoB企業は、BtoC企業に比べて知名度は下がりますが、安定しており、様々な食品製造に携わることが出来るというメリットもあります。ぜひ広く目を向けて就活をしてみてください。