大手ガス3社の違いを数字で比較

カテゴリ:都市ガス業界
ES研究所 2018年06月16日
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ガスコンロ

ここでは日本の大手ガス会社の

  • ・東京ガス
  • ・大阪ガス
  • ・東邦ガス

の3社を有価証券報告書に記載されている事柄から比較することで、イメージではなくその企業ひいてはその業界の「事実」の確認が出来ればと思っています。

目次

  1. 主要子会社・関連会社の比較
  2. 事業規模の比較
  3. 安全性の比較
  4. 利益性の比較
  5. コスト&研究開発費の比較
  6. 従業員1人あたりの売上&利益の比較
  7. 事業セグメントの比較
  8. まとめ
  9. 志望動機として使えそうな点

主要子会社・関連会社の比較

あまり有名な子会社がなかったので、今回は省略します。

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事業規模の比較(単位:百万円)

表2

売上 順位

  • 1位:東京ガス
  • 2位:大阪ガス
  • 3位:東邦ガス

純利益 順位

  • 1位:大阪ガス
  • 2位:東京ガス
  • 3位:東邦ガス

事業規模という面では東京ガス・大阪ガスと東邦ガスの間に大きな隔たりがあるようです。

そして大阪ガスは売上においては東京ガスに及びませんが、純利益は勝っています。

安全性の比較

表16

流動比率 順位

  • 1位:大阪ガス
  • 2位:東京ガス
  • 3位:東邦ガス

自己資本比率 順位

  • 1位:東邦ガス
  • 2位:大阪ガス
  • 3位:東京ガス

3社とも割と似たような数字が並んでいますが、相対的に大阪ガスが財務の健全性は高いようです。

利益性の比較

表19

純利益率 順位

  • 1位:大阪ガス
  • 2位:東邦ガス
  • 3位:東京ガス

相対的に低めな東京ガスの純利益率。

こう見ると東邦ガスは売上を拡大出来れば東京ガスにも大阪ガスにも負けないほどの純利益を挙げることが出来そうです。

ネットFCF 順位

  • 1位:東京ガス
  • 2位:大阪ガス
  • 3位:東邦ガス

そもそもの純利益額が違うのでネットFCFに関しては東邦ガスが飛び抜けて額が小さいです。

実質設備投資/営業CF 順位

  • 1位:東邦ガス
  • 2位:大阪ガス
  • 3位:東京ガス

ただ設備投資に関しては東邦ガスは割と低く抑えています。

対照的に東京ガスは営業CFのうちかなりの割合を設備投資で吐き出してしまっているようです。

在庫回転率 順位

  • 1位:東京ガス
  • 2位:東邦ガス
  • 3位:大阪ガス

大阪ガスは他の2社の約3分の2くらいの在庫回転率なので大手ガス会社の中では割と回転が低めな印象です。

コスト&研究開発費の比較

表15

販管費/売上 順位

  • 1位:東京ガス
  • 2位:大阪ガス
  • 3位:東邦ガス

研究開発費/売上 順位

  • 1位:東邦ガス
  • 2位:東京ガス
  • 3位:大阪ガス

3社の間で微妙に差はついていますが、そこまで極端でもないほどの差です。

従業員1人あたりの売上&利益の比較

表13

売上/従業員(単位:百万円) 順位

  • 1位:東京ガス
  • 2位:東邦ガス
  • 3位:大阪ガス

営業利益/従業員(単位:百万円) 順位

  • 1位:東京ガス
  • 2位:東邦ガス
  • 3位:大阪ガス

1人あたり営業利益/売上 順位

  • 1位:東京ガス
  • 2位:大阪ガス
  • 3位:東邦ガス

誰がどうみても圧倒的な東京ガスの個人技の強さ

そして東邦ガスが割と健闘しているのに対して、大阪ガスは個人技においてはあまり強くないことがわかります。

事業セグメントの比較

東京ガス

表21
表7
表1

※「エネルギー関連」・・・ガス工事、ガス配管工事、ガス関連設備等の建設、産業ガス等の販売、LNGの販売

※「その他」・・・LNGの輸送等、情報処理サービス等、クレジット業務並びに各種リース業務

「都市ガス」が年々その貢献度を上げてきていることがわかります。

それ以外の貢献度はイマイチなのですが、一つも損しているセグメントがないことがわかります。

大阪ガス

表9
表3
表18

※「ライフ&ビジネスソリューション」・・・ファイン材料、炭素材製品、活性炭および木材保護塗料等の製造・販売、不動産の開発・賃貸・管理・分譲、リース・クレジット・保険代理店業等、スポーツ施設の経営・運営受託等、ソフトウェア開発・情報処理サービス

売上は「ガス」が全体の約7割を占めますが、利益となるとその比率は5割くらいに落ち着き、代わりに他の事業がけっこうな貢献をしていることがわかります。

そして利益率となると際立つのが「ガス」の利益率の低さと他の事業の利益率の高さです。

そういう意味では割と分散されていてバランスの取れた事業展開をしていると言えます。

東邦ガス

表11
表6
表20

※「その他」・・・LNG受託加工、不動産の管理・賃貸、プラント・設備の設計施工、住宅設備機器の販売、情報処理サービス、車両や設備投資のリース、LNG冷熱および液化窒素等の販売、豪州における天然ガス等に関する開発・投資

いろいろな事業を行ってはいますが、利益を見ると「ガス一辺倒」なことがわかります。

利益率においても「ガス」が一番利益率が高く、真の意味で主力事業です。

反対に他の2社に比べて適度に事業が分散されていないので市況が「ガス」にとって追い風であれば他の2社よりもその売上と利益の伸びが高くなる可能性が高いのですが、逆風であればかなりマズいことになりそうです。

まとめ

これまで見てきた 社の順位を「利益性」「コスト」「安全性」「チーム力」「個人技」の括りで下記します。(総合点と平均が低ければ低いほど各項目について「優れている」ということになります。)

表17

利益性 総合順位

  • 1位:東京ガス
  • 2位:大阪ガス
  • 3位:東邦ガス

言わずもがな東京ガスがぶっちぎりで1位です。

特に個人技でぶっちぎって1位なのが全体に好影響を及ぼしているようです。

表5

コスト 総合順位

  • 1位:東邦ガス
  • 2位:東京ガス
  • 3位:大阪ガス

コスト効率においては東邦ガスが1位です。

販管費と研究開発費ではそこまで差がつけられなかったものの、設備投資率の低さが全体の順位の押し上げに大いに貢献しているようです。

表14

安全性 総合順位

  • 1位:大阪ガス
  • 2位:東邦ガス
  • 3位:東京ガス

財務の健全性は大阪ガスが1位です。

東京ガスは3社の中では相対的に財務の健全性は低いようです。

表12

チーム力 総合順位

  • 1位:大阪ガス
  • 2位:東京ガス
  • 3位:東邦ガス

チーム力は大阪ガスがぶっちぎりで1位のようです。

内容を見ても各項目で高順位を取っているので「高位安定」といったところでしょうか。

逆に東邦ガスは「低位安定」で、東京ガスは各項目でバラツキがあり安定していないような感じです。

表10

個人技 総合順位

  • 1位:東京ガス
  • 2位:東邦ガス
  • 3位:大阪ガス

チーム力にはバラツキがあった東京ガスですが、個人技は他を全く寄せ付けない圧勝です。

そして大阪ガスと東邦ガスを比較してみるとチーム力では段違いの差がありましたが、個人技においては拮抗、というか東邦ガスが大阪ガスを追い抜かしています。

表8

総合順位

  • 1位:東京ガス
  • 2位:大阪ガス
  • 3位:東邦ガス

総合は東京ガスが1位ですが、「利益性の高さ」と「個人技の強さ」で他の2社に勝っているようなイメージです。

そして大阪ガス・東邦ガスの順でフィニッシュですがこの2社の間には事業規模の差はあれども総合的にはそこまでの差はないような感じです。

各社の特徴をまとめると以下のようになります。

東京ガス

  • 利益性:1位
  • コスト:2位
  • 安全性:3位
  • チーム力:2位
  • 個人技:1位
  • 総合:1位
  • ・強み→事業規模の大きさ・利益性の高さ・個人技の強さ
  • ・弱み→相対的に弱い財務基盤
  • ・特徴→「ガス」が年々貢献度を増してきている

大阪ガス

  • 利益性:2位
  • コスト:3位
  • 安全性:1位
  • チーム力:1位
  • 個人技:3位
  • 総合:2位
  • ・強み→安定的な財務基盤・チーム力の強さ
  • ・弱み→コスト効率の悪さ・個人技の弱さ
  • ・特徴→バランスの取れた事業構成

東邦ガス

  • 利益性:3位
  • コスト:1位
  • 安全性:2位
  • チーム力:3位
  • 個人技:2位
  • 総合:3位
  • ・強み→コスト効率の良さ
  • ・弱み→利益性の相対的な弱さ・チーム力の弱さ
  • ・特徴→「ガス一辺倒」な事業構成

志望動機として使えそうな点

東京ガス

業界最大手の事業規模を誇る点

最大手の看板を背負って働きたい」という方には最も向いているかもしれません。

個人技が圧倒的に強い点

優秀な人材が多くいる競争が激しい環境で揉まれて成長していきたい」という方には最も向いているかもしれません。

大阪ガス

チーム力が最も高い点

個人の競争力では東京ガスに劣るものの、チームとして稼ぐ力は3社の中でダントツの1位です。

なので「チームプレーの中で能力を発揮して貢献する方が得意な人」にとっては最も向いているかもしれません。

色々な意味でバランスが取れていて安定している点

財務の健全性においても事業構成においても3社の中では最もバランスが取れているので、この会社は市況が逆風でも生き残って会社として安定している可能性が高いと想定されます。

なので「ガス会社の中でも安定した会社で働きたい」と考えている人には最も向いているかもしれません。

東邦ガス

「ガス一辺倒」な点

この会社は事業構成を見ると3社の中では「最も純粋なガス会社」であると言えます。

このことがプラスに働くこともあればマイナスに働くこともある「諸刃の剣」な感じではありますが、逆に言えば今のところこの会社に入ったら「ガス」の仕事に携わる可能性が3社の中では最も高いということにもなります。

なので「純粋にガスの仕事に携わりたい」という方にとってはその希望を叶えられる可能性が最も高い会社なので、そういう意味では最も向いているかもしれません。

これまでまとめてきた事項は数字を元にした会社の実態ではありますが、より正確に実態を掴むためにも説明会で質問してみたり実際に社員の人に会ったりして、調べた情報とズレていないかどうかを確認してみた上で、ESや面接で使用することをおすすめします。