はじめに
就職活動の面接においてよく聞かれるのが「弊社が第一志望ですか?」という質問。
本当に第一志望であれば即答できますが、そうではない場合に「なんて答えれば良いのだろう…」と迷っている就活生も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、企業の就活で「第一志望ですか?」と質問された際の適切な対応について詳しく解説していきます。
目次
企業の面接で「第一志望」と伝えないと面接に落ちる?
結論から言うと、面接で第一志望と伝えなかったからといって落ちるわけではありません。
もちろん、「自分たちの会社を第一志望にしてくれている人を採用したい」という意図で質問している部分もありますが、その他にも以下のような意図が挙げられます。
- ・他社の応募状況や選考スケジュールを把握したい
- ・他社と比較した上での志望理由を知りたい
- ・論理的な回答ができるかを見極めたい
- ・素直に率直な回答ができるかを見極めたい
このように、志望度だけでなく選考スケジュールや回答の明確さを確認する目的としても、「第一志望ですか?」という質問が使われます。
つまり、「第一志望かどうか」よりも「その理由をはっきりと自分の言葉で簡潔に伝えることができるか」が重要なのです。
そのため、面接前にはしっかりと自分の思考を整理し、簡潔に伝えることができるように回答を準備しておきましょう。
「第一志望ですか?」と聞かれた時の回答パターン
では、実際に「第一志望ですか?」と聞かれた際、どのように回答するのが良いでしょうか?
主に、以下の2つの回答パターンが挙げられます。
- ・「第一志望です」と伝える
- ・「第一志望群です」と伝える
以下では、それぞれの詳しい回答についてを解説していきます。
「第一志望です」と回答する
その企業が本当に第一志望だった場合は、素直に「第一志望です」と回答しましょう。
また、嘘であっても「第一志望です」と伝えることも可能です。
実際にキャリタスが行った約1,000人を対象に調査では、7割超の回答者が「就職活動で嘘をついたことがある」と答え、かつその内で最も多かった嘘が「第一志望」に関する嘘でした。(出典:キャリタス就活 学生モニター調査結果)
たとえ本心であっても嘘であっても「第一志望」伝えることはOKですが、それを裏付ける根拠や理由を用意し、しっかりと面接官に伝えることが重要です。
「第一志望」と伝える際の回答例
はい、御社を第一に志望しております。私は自己分析を重ねた結果、社会人生活の中で「一匹でも多く猫をより幸せにしたい」という思いが強いということがわかりました。私は2年間ほどでの保護猫カフェのアルバイト経験を通して、行き場のない猫に健康に暮らせる場を提供できることの素晴らしさを学びました。その以前に1年ほどペットシッターのアルバイトに従事していたこともあり、そちらも素晴らしい経験でした。しかし、すでに居場所のあるペットでなく「行き場のない猫」に関わる方が、より自分を強く突き動かす動機になると自覚しています。
保護猫カフェのチェーンを最も多く全国展開する御社で、いずれはサービスの源流に携わり、一匹でも多くの保護猫を幸せにする機会を創出したいと考えています。
内容としては、自己分析と企業研究に基づく志望であることのアピールや、他業種や同業種他社との比較などを織り交ぜて話すと良いでしょう。
「第一志望群です」と回答する
「第一志望群」であると回答するパターンもあります。「迷っている」「第一志望ではない」ということを正直に伝えるにしても、言葉を選ぶことは重要です。
転職・就職情報事業を営む「株式会社学情」が2024年に発表した調査によると、第一志望ではない企業から志望順位を聞かれた際に、回答354件中の約34%が「第一志望群ですと伝える」と回答していました。出典:株式会社学情の調査
嘘をつくことに抵抗がある…という就活生は、「第一志望群」である旨を伝えることをおすすめします
「第一志望群」と伝える際の回答例
はい。御社を第一志望ですが、正直に申し上げると、実は他にも同じくらい志望している会社があり、まだどちらに自分がより貢献できそうか判断しかねているところです。そちらも同じく保護猫カフェ事業を展開していますが、そちらもまだ面接は行っていません。
大変恐縮ですが、どちらも面接を通して実際の業務内容などをお聞かせいただき、より具体的なイメージを持った上で判断させていただきたいと思っています。
注意したい点としては「第一志望群という言葉を避ける」ということです。
「御社は第一志望群です」と言ってしまうと「複数の選択肢の中から選ぶ権利は私側にある」という”上から目線”な印象を持たれかねません。実態はそうであってもマイナスの印象を避けるために、伝え方には気を配りましょう。
第一志望か聞かれた際の回答のポイント
次に、企業へ「第一志望か?」と質問された際の、回答のポイントについて解説します。
ポイントは次の3つです。
- ・「第一志望であるのか」という質問に対する答えを述べる
- ・根拠を明確に話す
「第一志望であるのか」という質問に対する答えを述べる
「第一志望であるか?」という質問を受けたら、それに対する「答え」をはじめにはっきり述べましょう。
この質問に限らず、結論ファーストの話し方は面接において非常に重要です。
明確な回答を後回しにしたり避けたりすると、文章や会話が「頭でっかち」になり、相手に結論を理解してもらいづらくなります。
面接官は「限られた時間の中で効率よく、応募者のことを理解したい」と思っているので、ダラダラと話を続けずに簡潔に回答することを意識しましょう。
根拠を明確に話す
面接において「根拠を明らかにしながら話すこと」は非常に重要視され、さらに根拠の有無や強弱によって話の説得力は大きく異なります。
もちろん、まだ実際に働いていない会社の志望理由を話すわけですから、ある程度は想像を元にした根拠になるのは仕方ありません。
しかし「私は小さい頃からこういう性格で〜」や「御社のCMを見て〜」といった理由ではあまりに根拠が弱いです。
- ・「なぜ?」
- ・「本当に?」
- ・「具体的には?」
と自分に何度もツッコミを入れながら、就活の軸やその根拠を強くしていきましょう。
就活の終了条件を述べる
第一志望であれば、内定をもらったら終了することになりますが、「第一志望群である」と伝えた場合、面接官は就活の終了スケジュールを掴めません。
そのため、「就活の終了条件=最終的な判断を下せる時期」について触れておくと話が早いでしょう。
「第一志望ですか?」と聞かれた時のNG対応
最後に、「第一志望ですか?」の質問時に避けた方がよい対応を紹介します。次のような反応をしないようにしましょう。
- ・答えるまでに間が空いてしまう
- ・理由が明確に言えない
- ・遠回しに話す
答えるまでに間が空いてしまう
答えるまでに間が空いたり、言い淀んでしまったりすると「面接に向けた準備が足りないのでは?」と印象を持たれることに繋がります。
そのため、回答する内容はある程度事前に準備をし、間があいてしまわないように注意しましょう。
もちろん食い気味に返事するのも不自然なので、自然な範囲で一拍ほど間をおいて「はい。〜」と回答するのがおすすめです。
理由が明確に言えない
「第一志望であるか」の質問に対して、正直に言う/言わないのどちらにしても、明確な根拠を論理立てて話すことが重要です。
理由を明確に提示できないと「第一志望です」と言っても話に説得力や納得感が生まれません。
面接官を納得させられるような論理的な回答を用意しておくと良いでしょう。
遠回しに話す
面接において「遠回しに話す」ことも避けるべきです。
答えづらい質問だからといって、あいまいな表現や遠回しな話し方をしてしまうと、面接官に自分の考えを正しく理解してもらえません。
回答自体は、アンサーファーストで答えられるようにしておきましょう。
まとめ
今回の記事では、以下の内容について解説してきました。
- 「第一志望であるか?」の質問には
- 「第一志望」または「第一志望群」であるち伝えるのがベター
- 結論ファースト&根拠を明確にして回答する
- 遠回しに話すのはNG
就活の面接では、「第一志望ですか?」といった答えにくい質問をされることもあります。
その際は根拠を明確にした上で、簡潔に、そして素直に回答することを心がけましょう。