もくじ
- はじめに
- 業界の志望動機の定義と注意点
- 商材の特性に注目する
- 市場の特性に注目する
- まとめ
1. はじめに
このページでは『業界の志望動機の書き方』について解説する。
ここでは
『業界の志望動機はどのように書けばよいか?』
について理解してくれればと思う。
2. 業界の志望動機の定義と注意点
業界の志望動機を聞かれた時、気を付けなければならないのは、就活の軸との一貫性だ。採用担当者は就活の軸の品質と、就活の軸が各判断において一貫しているかどうかで就活生の
- スタンスや
- 発言の真偽性
を判断している。(参考:『【図解】就活の軸とは何か』)
従って、業界の志望動機を書く時には、同時に
- 何故就職することにしたのか?
- 何故特定の企業への入社を志望するのか?
との整合性を意識しながら書かなければならない。
また、業界の志望動機で書いてはいけないことは、下記の記事を参考にして欲しい。
3.商材の特性に注目する
業界の志望動機の書き方は2種類あり、2つ同時に使ってもいいし、どちらか1つを根拠にしても良い。
1つ目の業界の志望動機の書き方は、業界の志望動機を書くときは商品やサービスが好きかどうかではなく、その業界が扱っている「商材がどのようなものか?」を志望理由とするのが良い。
手順1:志望業界の商材の他との違いを理解する
まず、志望する業界の商品やサービスを
- ■ 有形商材or無形商材?
- ■ 高単価商材or低単価商材?
- ■ 嗜好品or必需品?
- ■ 個人向けor法人向け?
といった切り口(クライテリア)で整理し、どのような商材・サービスなのかを理解する。
手順2:志望業界の商材の価値提供を理解する
次に、その商材が提供している本質的価値について考える。この時、
- 価値の内容
- →どのよう“な”価値を提供しているか
- 価値の提供方法
- →どのよう“に”価値を提供しているか
を理解する必要がある。そこで、志望業界の商材の価値を
- ■ どこの
- ■ 誰に
- ■ どんなとき
- ■ どんな価値を
- ■ どんな風に
- ■ どんな経緯を通じて(販売チャネル)
- ■ どのぐらいの費用で
- ■ なぜ顧客は買うのか?
といった切り口で整理する。しかし、このままでは、文字数が有限な業界の志望動機には書けないので、フレームワークを通じて発散した商材の価値を言語化し、端的に伝わる様に落としこむ。
手順3:何故自分にとって魅力かを考える
上記で整理した
- 志望業界の商材の他との違い
- 志望業界の価値の内容と提供方法
を踏まえて、なぜ、そのような価値をそのように提供する志望業界の商材が自分にとって魅力的なのか?について考える。この作業を怠り、「So What?(だから何なの?)」に対応する内容が抜け落ちると、ただの分析の羅列になってしまう。君のスタンス(価値観、考え方)が介在しないから志望理由にならないし、人事は君の分析が聞きたいわけじゃない。
具体的な事例は、過去に提出されたESを参考にしてみて欲しい。
4.市場の特性に注目する
2つ目の業界の志望動機の書き方は「その業界の市場が今後どうなっていくか?」を志望理由にすると良い。
市場とは
市場とは、一定期間の間売り手と買い手の間で交わされた取引の金額の総量のこと。例えば、1年間に1本100円のペンが100万本売買されたら、ペンの年間市場規模は1億円となる。
手順1:志望業界の市場の他との違いを理解する
まず、志望する業界の商材の市場を
- ■ 成長or成熟?
- ■ 競争or寡占?
といった切り口(クライテリア)で整理する。
手順2:市場の特徴の意味を考える
今後市場が伸びていくのか、衰退していくのか?日本は少子高齢化だから、成長していく市場はシニア向けの介護・医療といった市場になる。一方、食品やアパレル等ほとんどの市場は成熟市場となる。
また、参入障壁が低い(ライバルが参入しやすく)商材の市場であれば競合プレイヤーが多く競争的な市場となるから、より社員個人での価値創造が求められる。
手順3:何故そういう市場が自分にとって魅力かを考える
最後に、何故そういう市場が自分にとって魅力的かを考える。
例えば、成長市場であれば、仕事の種が沢山転がっている状況なので、市場の成長にコミットすることで事業も自分自身も成長させられる。一方、成熟市場であれば、新しい価値を生み出す(イノベーションを起こす)か、海外の成長市場に進出するか、競合プレイヤーよりもよりよいor安い物を作らなければ売上が落ちて事業は撤退することになる。だから、顧客のニーズや商品の価値と向き合わざるを得ない環境が自分を成長させる。といった具合である。
5.まとめ
いかがだったろうか。業界の志望動機の書き方についてまとめる。
選考が進むにつれて「そもそもなんでウチの”業界“に?」と質問されることは多くなる。この時、採用サイドが知りたい、かつ聞いて納得する理由を話せるように是非実践して欲しい。また、抽象度が高くわかりづらいようであれば、上記の観点をもって、過去に実際に提出されたESを参考にして欲しい。