もくじ
1. はじめに
こんにちは。理系学部生の皆さんは、毎週のように提出するレポート、所属する研究室のゼミや実験等に追われ、満足に就職活動をすることができない方も多いと思います。また、就職活動の相談をしようにも、周囲は大学院に進学し、共に就職活動を戦う仲間は少ないことも多いと思います。私自身、周囲の友人の大半は院進学を決めており、情報共有ができる人が少なく、苦労しました。
そこで、理系学部生がやるべき就職活動準備について自分の経験を踏まえながら解説していきたいと思います。
2. 文系になく理系にある対策法
最初に、簡単に就職活動の流れについて説明します。多くの企業では、以下の流れに沿って選考が進んでいきます。
- 1. プレエントリー
- 2. エントリーシート・説明会
- 3. テスト
- 4. 面接・グループディスカッション(GD)
これらの選考の中で、企業は目の前の就活生が「自社で使える人材かどうか」を判断します。これらの対策をする中で、理系の皆さんは、文系の方とは異なり、
- ○ 研究をまとめる
- ○ 職種選択(研究職or文系職)
- ○ 理系特有の質問を考える(何故文系就職か?等)
の3つをする必要があります。
今回は『研究概要をまとめる』について考えていきたいと思います。
3. 研究について聞かれるパターンから、まとめる目的を考える
まずは、私が実際に面接の中で質問された研究に関する質問をいくつか上げていきたいと思います。
研究の具体的な内容を問う質問
研究の具体的な内容を問う質問は、就活の面接においても非常によく聞かれます。例えば、
- ・ どんな研究をやっているのですか?1分程度で簡単に説明してください。
- ・ ESにある「卒論テーマ」とは、具体的にどういった研究ですか?
などです。このとき、一部の研究職などを除き、対峙する面接官はその研究に取り組んだことのない人物です。従って、背景知識などが同じ水準にはない人に、自身の研究概要を伝えることになります。このプロセスから、企業は「研究内容」の他に「相手へ簡潔に分かりやすく伝える力があるかどうか」を見ていると考えられます。以上のことから、背景知識を持っていない人にも伝わるように研究内容をまとめる必要があります。
研究への取り組み方を通してその人の考え方を知る質問
面接官が興味があるのは研究内容ではなく『あなた自身』です。そこで、研究という理系学生の本文に対してどう向き合い、どう行動してきたのかを尋ねることでその人の人となりや考え方を理解しようとする質問です。
- ・ 研究で最も大変なことはどのようなことでしたか?
- ・ なぜその研究をしようと考えたのですか?
などがあげられます。いずれも正解は無い質問となりますが、主体性を持たずに取り組んでいたと思われないように、しっかりと面接官が納得するような内容を回答することが求められます。必ず事前に回答を用意し、自分以外の人に読んでもらって回答内容が伝わるかどうかを確認してから面接・ESに臨みましょう。
以上の質問を見ると、企業はただ「研究内容」を評価するのではなく、自身の能力や性質を評価しようとしていることが分かると思います。つまり、『質問されること』から逆算すると、研究内容をまとめる目的は「企業に研究内容を通して自分の能力や考え方を伝えられるようになる」ということになります。
4. 研究のまとめ方
“3.研究について聞かれるパターンから、まとめる目的を考える”で述べたように、研究をまとめる目的は「企業に研究内容を通して自分を伝えることができるようになる」です。そして、この場合に伝えられる自分とは「相手に伝える能力」「自分の考え方・スタンス」のことです。以上を踏まえ、研究内容のまとめ方を3つのステップに分けて紹介します。
1. 研究内容と動機の見える化
まず、どのような目的でテーマを定め、どのような実験をし、どういう成果を得ているのかを明確にすることから始めました。そのための方法が見える化です具体的にはパワーポイントを使って、
- 【研究の背景と目的】
- 【研究の実験方法】
- 【研究の結果と成果】
- 【現時点での研究に対する考察】
をフローチャート等の形式で書くことです。このようにすることで、自分がどのように研究してきたかを視覚化できました。
2. 概要をまとめる
その後、上記でまとめた概要について
- STEP1. 研究概要(研究職種用)A4 1-2枚
- STEP2. 面接、ES用の研究概要(300字程度)
2つのパターンでまとめていきました。特に2.を作るときには、専門用語をほぼ使わず、専門知識のない人(母、弟等)が読んでも理解してもらえるようにしました。
STEP3. 想定問答集の作成
自分が研究に取り組むとき、『どのような考えをもって各行動に臨んでいたのか』『成果を上げるためにどのような工夫をしたのか』等について自問自答をして掘り下げ、想定問答集を作成しました。
この3つのステップによって、自分の研究内容をまとめることができ、面接の場でも問題なく対応することができるようになりました。このように、自分なりの方法で研究内容を深く掘り下げていくことで、目的である「企業に研究内容を通して自分を伝えることができるようになる」の達成に近づいていくと考えます。
5. 最後に
いかがだったでしょうか?今回は、理系学部生が研究内容をまとめるときの目的や方法の一例についてお話しさせていただきました。しかし、学部生の場合、研究室に配属されていない場合などもあるかと思います。そういったときは、自分1人で取り組むのではなく、教授や友人に尋ねること等によって、知識を得てまとめ、対策していくことをおすすめします。
就活解禁後は、学業と就職活動の両立が難しく、なかなか時間に余裕がない状況かと思います。そのため、早くから研究をまとめておくことで、その他のことに時間を費やせるようにしておきましょう