理系大学院卒の就活生のための研究概要の書き方

就活と理系
2016年10月12日
研究概要の書き方

もくじ

  1. はじめに
  2. 研究概要に何を盛り込むべきか
  3. 具体的な研究概要の書き方
  4. まとめ

1. はじめに

こんにちは。今回は、理系大学院生に向けて研究概要の書き方について書きたいと思います。

研究概要は、研究職を志望する学生であれば必ず書くことになります。ですが、「何をどのように書くべきかが分からない!」という理系学生は多いと思います。

そこで、私自身理系大学院生という肩書で研究職に絞った就活に臨んだ経験から、具体的に何をどのようにアピールすべきかについて考察してみたいと思います。この記事を通じて、研究概要でアピールすべき点はどこなのかについて、皆さん自身の答えを導き出していただければ嬉しいです。

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2. 研究概要に何を盛り込むべきか

研究概要に何を盛り込むべきか

理系学部出身の学生であれば、卒論や学会要旨などで、研究内容をA4 1枚程度にまとめた経験はあると思います。企業に提出する研究概要についても、基本的な方向性は同じと思っていただいて構いません。自分の研究成果を分かりやすい文章でまとめることが基本になります。強いて違いを挙げるとすれば、就活用の研究概要では、企業ウケがいい内容を盛り込むべきだということでしょう。

企業の方々は、研究概要を通じて、その学生の文章能力、学生時代に身に着けた実験手技、独自の工夫・発想力の有無、そして研究の有用性を探りたいと考えています。

(詳しくは、『研究概要を通じて人事が知りたい4つのポイント』
を参照)。読みやすく分かりやすい文章の中で、研究者としてのあなたのスキルや発想力をアピールするという点に重きを置くことが、就活用の研究概要に求められます。

3. 具体的な研究概要の書き方

分かりやすい文章にする

分かりやすい文章にする

わかりやすい文章について考える前に、逆に、わかりにくい文章にはどのような特徴があるかを考えてみましょう。ビジネス書などでは、「一文が長い文章」、「何が?どのように?など、読み手に疑問を残す文章」、そして「結論が出てこない文章」などが挙げられます(樋口裕一著、『文型を使えば、短く分かりやすく迷わず書ける!『伝わる文章力』がつく本』、大和書房参照)。

したがって、わかりやすい文章にする第一歩として、一文に一要素が含まれるように短く書き、何が、どれくらい、どうなったかを明記することと、その段落における結論を明示することを心がけましょう。

イントロを丁寧にわかりやすく書く

イントロを丁寧にわかりやすく書く

私は、研究概要の中で最も重要な部分はイントロ、文の書き出し部分です。イントロには、

  • 克服すべき現状の課題
  • 研究の意義
  • 研究の目的
  • 研究の有用性

を明記する必要があります。

したがって、イントロを疎かにして『伝わらない文章』を書いてしまうと、あなたが長年積み上げてきた努力の結晶である研究の重要性や進歩性は半減してしまいます。現状の科学ではどのような課題があり、それを克服するためにどのような戦略を立て攻略しようとしているのか、その結果としてどのように人々の生活に応用されるかを分かりやすく書くように心がけましょう。

実験方法を簡単に書く

実験方法を簡単に書く

実験方法は必ず書くべきでありますが、実験方法についての記述は2-3行程度にとどめましょう

  • どのような実験方法を採用し、
  • 反応時間や濃度はどうで、
  • 測定機器は何なのか、
  • 使用する動物種や細胞腫は何なのか

を書けば十分です。

ポイントは、どのような実験手技をもち、どのような機械を使用することができるのかを明記することです。ただし、先にも述べましたが、2-3行程度にとどめるべきです。

研究概要のメインは、現状の科学ではどのような問題点があり、それをどのように克服し、その結果として人々の生活をどのように改善できるのか、という一連の流れです。実験方法はそのための手段でしかありません。その具体的な手法の部分に多くのスペースを割くよりは、イントロや結果・考察に力を入れるべきです。

結果・考察をしっかり書く

結果・考察をしっかり書く

イントロで研究の意義を明示し、実験方法であなたのスキルをアピールしたら、結果・考察でフィナーレです。ここでは、あなたの研究成果によって、研究の目的がどの程度達成できたかを伝える場です。具体的な結果(図やグラフを用いて視覚的にもわかりやすくすべき)を示し、そこから何が明らかになったのか、どのような問題点があったのかという点をしっかりと書きます。ストーリー性も意識します。つまり、

  • ■ あなたが採用した実験方法により、どのような結果が得られたのか
  • ■ その結果に基づいて何が明らかになったのか
  • ■ 次にどのような改善が必要と考え、どのような実験をデザインしたのか
  • ■ その結果がどうで、さらに何が明らかになったのか

という流れを意識します。これにより、研究のプロセスが伝わりやすくなると同時に、臨場感がプラスされ、読んでいて飽きない研究概要になります。また、あなた独自の発想や、誰にもできなかったことができるようになったことがあればしっかりアピールしましょう。

大学院就活生の多くは、研究が完結していない場合もあると思います。その場合は、今後の展望を示します。今後はどのような実験が必要と考え、どのような結果が予想されるのかを書きましょう。ただし、面接時には「あと半年の学生生活の中でできるの?」と聞かれます(私の場合、半数以上の面接で聞かれました)。残された時間と労力を考慮して、どこまでできるかをきちんと説明できるようにしておいてください。

図やグラフは適度に使う

図やグラフは適度に使う

図やグラフを用いることで、研究概要をよりわかりやすくすることができます。研究の成果の核心に迫るようなデータ、方向性を大きく左右した実験結果等は、図やグラフとして示すべきです。私の場合はA4 2枚版の場合は4枚の図を用いました(イントロで1枚、結果・考察で2枚、今後の展望で1枚)。多すぎれば書き込める文章量は減りますし、少なすぎてもパッとしないため、全体を見渡した時の印象と文章としての情報量とのバランスに気を付けてください。

4. まとめ

今回は、研究職志望の理系大学院生に向けて研究概要の書き方について書きました。この記事を参考にして、研究内容についても、あなた自身の能力についてもわかりやすい研究概要を作成して頂けたら嬉しいです。ここで少し余談をします。私が就職することを決めた製薬会社の内定者懇親会の時の話です。私の面接を担当された研究職の方(40代後半の管理職)は、次のように話してくれました。

「就活生の中には、研究室全体の研究テーマについて研究概要を書いてくる人がいる。過去の先輩などが代々利用してきたもののため、研究概要としての完成度は非常に高い。しかし、研究室全体の研究成果をあたかも自分一人で成し遂げたかのように書く人は、面接時に一発でわかる。そういう学生は全員落としたね。」

この話を聞いた時に、学生に求めているものは、素晴らしい研究成果ではなく、『自分の仕事に責任と誇りを持っていること』ではないかと思いました。面接の際にも、「この研究は自分一人でやっているの?それともグループでやっているの?」とよく聞かれましたが、その背景にも同様にものがあったのではないかと、個人的に思いました。

これから研究概要を書く皆さんには、まず、自分の研究テーマの重要性を考えてもらいたいと思います。そうすれば、自ずとアピールすべきポイント、じっくり説明するポイントは出てくると思います。是非、あなたの研究成果に自信を持って堂々と書き、「オレはこんなにすごいことやってるんだぜ!」っていうノリで書いていただければ結構かと思います。

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