もくじ
1.はじめに
こんにちは、エントリーシート研究所の三浦です。
企業パンフレットを読み始めた就活生がよく遭遇することばの1つに、「”持続可能社会”の実現」があると思います。「なんだか格好いいし、社会貢献度は高そうだけれど、具体的に何がしたいんだろう…?」と考えたことはありませんか?
今回は、これから就活に臨む学生さんにぜひ知っておいていただきたい、「持続可能社会」の基本事項と、その実現を目指す企業の取り組みについて紹介します。
2. 持続可能社会とは?
そもそも、「持続可能社会」とは何なのでしょうか?以下に、就活生が知っておくべき基本的な用語を解説します。
持続可能な開発
国連の「環境と開発に関する世界委員会」は、大量生産・大量消費の影響で多くの環境問題が発生したことの反省から、今後は将来にわたって永続的な発展を遂げるためにも、環境に配慮した開発をするために、「持続可能な開発」という概念を提唱しました。
「持続可能な開発」について、外務省のHPには以下のように定義されています。
「環境と開発に関する世界委員会」(委員長:ブルントラント・ノルウェー首相(当時))が1987年に公表した報告書「Our Common Future」の中心的な考え方として取り上げた概念で,「将来の世代の欲求を満たしつつ,現在の世代の欲求も満足させるような開発」のことを言う。
この概念は,環境と開発を互いに反するものではなく共存し得るものとしてとらえ,環境保全を考慮した節度ある開発が重要であるという考えに立つものである。
出典:外務省 https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h29/pdf.html
循環型社会
環境省「平成29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」において、「循環型社会」は以下のように定義されています。
我が国における循環型社会とは、「天然資源の消費の抑制を図り、もって環境負荷の低減を図る」社会です。
出典:環境省「平成29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/wssd/wssd.html
石油を含む化石燃料や貴金属等の天然資源の消費を抑制することは、資源の枯渇を防止するだけでなく、低炭素社会の実現にもつながります。
近年、国内における3R(reduce, reuse, recycle)の意識は減少傾向にあるため、循環資源を用いた製品の開発等が、企業にも求められるようになると考えられます。
再生可能エネルギー
経済産業省のHPにおいて、「再生可能エネルギー」は以下のように定義されています。
再生可能エネルギーとは、法律(※)で「エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの」として、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱その他の自然界に存する熱、バイオマスが規定されています。
再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず繰り返し使え、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど排出しない優れたエネルギーです。
(※)エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律
出典:経済産業省 http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/outline/index.html
日本はエネルギー供給の8割以上を輸入に依存しており、海外情勢の影響を受けやすい立場にあります。
また、上記の「持続可能・循環型社会」の実現において、温室効果ガスの排出量削減は喫緊の課題です。そのような中、環境負荷が少なく永続的な利用が見込める、「再生可能エネルギー」の活用が期待されています。
3. 持続可能社会の実現を目指す企業と戦略
以下に、持続可能社会の実現を目指す企業6社を紹介します。
昭和シェル石油
国内石油元売り大手として有名な昭和シェルですが、太陽光発電の技術開発・普及にも力を入れています。
研究開発から生産、販売、普及までの一貫したプロセスを有し、メイドインジャパンの太陽光パネルの技術革新・活用領域拡大に貢献しています。
近年では、超軽量型やカドミニウムフリーパネルなどの新技術や、省エネルギー開発体制などを確立させることで、この分野での成長を図っています。
岩谷産業
岩谷産業は、メーカー機能も併せ持つエネルギー専門商社です。
1958年に水素事業に着手してから、生産・輸送手段の合理化・水素ステーションの整備など、幅広い領域で新エネルギーの開発・普及に取り組んでいます。
商社ならではの幅広いバリューチェーンを活用し、「新エネルギーの普及」という面から持続可能社会の実現に貢献できる点が魅力的です。
日本電気(NEC)
大手電機メーカー・ITベンダーとして名をはせるNECですが、エネルギー関連の事業も行っています。
ICTとエネルギーコンポーネント技術を融合させ、蓄電池・エネルギーマネジメントシステム(EMS)・電気自動車の充電インフラ整備などを行っています。
NECは、メーカー・ITの両分野において強みを持つ企業であり、ICT・IoTの技術を用いて、エネルギーの有効活用・インフラ整備の面から、再生可能エネルギーの普及に貢献できる点が魅力的です。
東京ガス
東京ガスは、法人(業務用・産業用)部門において、「スマートエネルギーネットワーク」の構築に取り組んでいます。
都市全体でのICTの活用・熱と電気のネットワーク化・再生可能エネルギーの有効活用のサイクルを構築することで、エネルギー効率の向上のみならず、地域全体の価値向上を目指しています。
信越化学工業
国内でトップの売り上げを誇り、積極的な海外展開も行う機能性化学メーカーです。
信越化学工業はレア・アースマグネットの開発により、電気自動車の部品の軽量化・小型化を実現しました。これにより、エネルギー効率の向上や消費電力の削減にもつながっています。
DOWAホールディングス
大手非鉄金属メーカーのDOWAホールディングスは、リサイクル技術にも力を入れています。
解体・破砕・選別に対応した工場を有し、廃棄された家電・自動車から貴金属を回収しています。廃棄による環境破壊の防止・有価金属の再利用を通し、循環型社会の実現に貢献しています。
4. 終わりに
いかがだったでしょうか??
面接で「持続可能社会の実現を目指す御社において…(きりっ!)」なんて格好つけたことを言っていた私ですが、就活初期は知識が浅く、志望動機の深堀に対応しきれずに悔しい思いをした場面もありました。
これから就活に臨むみなさんは、是非「社会人として働くことで実現したい未来像」を明確化させ、採用担当者に響く志望動機を作ってみてください。