大手自動車メーカーの違いを数字で比較

自動車・自動車部品業界
2018年03月26日
車

はじめに

ここでは日本の大手自動車メーカーの

  • ・トヨタ自動車(以下:トヨタ)
  • ・日産自動車(以下:日産)
  • ・SUBARU(以下:スバル)
  • ・マツダ
  • ・本田技研工業(以下:ホンダ)

の5社を有価証券報告書に記載されている事柄から比較することで、イメージではなくその企業ひいてはその業界の「事実」の確認が出来ればと思っています。

目次

  1. 主要子会社・関連会社の比較
  2. 事業規模の比較
  3. 安全性の比較
  4. 利益性の比較
  5. コスト&研究開発費の比較
  6. 従業員1人あたりの売上&利益の比較
  7. 事業セグメントの比較
  8. 地域別売上高の比較
  9. まとめ
  10. 志望動機として使えそうな点
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主要子会社・関連会社の比較

表23

事業規模の比較(単位:百万円)

表20

売上 順位

  • 1位:トヨタ
  • 2位:ホンダ
  • 3位:日産
  • 4位:スバル
  • 5位:マツダ

純利益 順位

  • 1位:トヨタ
  • 2位:ホンダ
  • 3位:日産
  • 4位:スバル
  • 5位:マツダ

事業規模ではトヨタが売上高27兆円、純利益1兆8,000億円で他社を圧倒しての1位です。

ちなみに2017年度の売上高は競合のフォルクスワーゲンが約24兆円なので自動車メーカーではトヨタが世界トップです。

あとはホンダと日産、スバルとマツダがそれぞれ競っているような状況のようです。

安全性の比較

表25

流動比率 順位

  • 1位:スバル
  • 2位:日産
  • 3位:ホンダ
  • 4位:マツダ
  • 5位:トヨタ

自己資本比率 順位

  • 1位:スバル
  • 2位:ホンダ
  • 3位:マツダ
  • 4位:トヨタ
  • 5位:日産

財務基盤は5社の中では全般的にスバルが優れているようです。

特に自己資本比率は頭一つ抜けて厚みがあります。

そしてトヨタは流動比率においては最下位なので短期の資金繰りにおいて比較的不利な状況です。

利益性の比較

表16

純利益率 順位

  • 1位:スバル
  • 2位:トヨタ
  • 3位:日産
  • 4位:マツダ
  • 5位:ホンダ

スバルがトヨタを抜いてトップに立っており、その他の3社は同じような利益率です。

ネットFCF 順位

  • 1位:トヨタ
  • 2位:ホンダ
  • 3位:スバル
  • 4位:マツダ
  • 5位:日産

圧倒的なトヨタのネットFCF。

設備投資の費用を差っ引いても自由に使えるお金が1兆円以上あるというトンデモないことになっています。

実質設備投資/営業CF 順位

  • 1位:スバル
  • 2位:マツダ
  • 3位:トヨタ
  • 4位:ホンダ
  • 5位:日産

スバルは自動車メーカーとは思えないほど設備投資にお金を使わずに済んでいることがわかります。

ちょっと異常なくらい数値が低いです。

対して日産はちょっとどうかと思うほどお金を使い過ぎています。

在庫回転率 順位

  • 1位:トヨタ
  • 2位:スバル
  • 3位:ホンダ
  • 4位:日産
  • 5位:マツダ

在庫回転率とは「商品の仕入れから販売に至るまでの速さを示す指標」で、1年間に商品が何回転したかを表しています。

計算式は「売上高÷たな卸資産」です。

単純に解釈するとこの数字は高ければ高いほど商品がよく売れるということ、逆に低ければ低いほど商品があまり売れていないということになります。

さすがのトヨタと言った感じですが、スバルも頑張っているようです。

コスト&研究開発費の比較

表24

販管費/売上 順位

  • 1位:トヨタ
  • 2位:ホンダ
  • 3位:日産
  • 4位:スバル
  • 5位:マツダ

販管費とは正式には「販売費及び一般管理費」と言い、ざっくり言うと人件費・広告宣伝費・運送費などの商品を販売するのにかかった費用のことです。

5社とも似たような感じですが、トヨタのコストの低さが目立ちます。

これもカイゼンの結果なのでしょうか。

研究開発費/売上 順位

  • 1位:スバル
  • 2位:マツダ
  • 3位:トヨタ
  • 4位:日産
  • 5位:ホンダ

この項目も5社とも似たような感じで、あまり目立った差はないようです。

従業員1人あたりの売上&利益の比較

表12

売上/従業員(単位:百万円) 順位

  • 1位:スバル
  • 2位:日産
  • 3位:トヨタ
  • 4位:マツダ
  • 5位:ホンダ

事業規模では下位につけていたスバルですが、個人技は相当に強いようです。

そして個人技では日産はトヨタに少しリードしています。

営業利益/従業員(単位:百万円) 順位

  • 1位:スバル
  • 2位:トヨタ
  • 3位:日産
  • 4位:マツダ
  • 5位:ホンダ

営業利益とはざっくり言うと「本業のみで稼ぎ出した利益」になります。

純利益は投資先の会社からの配当の受け取り、こちらからの配当支払い、実際にはキャッシュインやキャッシュアウトをしていないが帳簿上は計上しなければならない特別利益や特別損失など「本業以外での利益や損失」を合算したものになります。

要は純利益がマイナスでも営業利益がプラスなのであれば「本業では利益を出せている」ということです。

スバルとトヨタの2強と言った感じですが、スバル社員はトヨタ社員の約2倍の営業利益を挙げており、やはり個人技ではスバルが圧倒的に強いことがわかります。

1人あたり営業利益/売上 順位

  • 1位:スバル
  • 2位:トヨタ
  • 3位:日産
  • 4位:マツダ
  • 5位:ホンダ

やはりスバルとトヨタの2強ですが、ここでもスバルがズバ抜けて高い利益率を誇っていることがわかります。

事業セグメントの比較

トヨタ

表5
表26
表9

利益率こそ金融が自動車を上回りますが、全体への貢献度はやはり自動車が高いようです。

日産

表11
表3
表29

この会社も金融の利益率が非常に高く、トヨタと比べて金融の全体への利益貢献度は高いです。

スバル

表14
表15
表17

※航空宇宙:航空機・宇宙関連機器ならびにその部品の製造、販売、航空宇宙などのセグメントはありますが、ほぼほぼ自動車の会社と言って差し支えないようです。

そして自動車の利益率は他の4社と比べると異常に高いことがわかります。

マツダ

表10
表1
表4

他事はせずにひたすらに自動車を作り続けているようです。

ホンダ

表2
表6
表13

他の3社に比べて多様なセグメントを持っているこの会社は売上貢献度こそ自動車(四輪)が7割以上を占めますが、利益貢献度を見ると二輪と金融サービスの2事業も重要な事業であることがわかります。

むしろ利益率だと二輪と金融サービスは四輪の3倍以上の利益率を誇るので、そういう意味では四輪よりも儲かる優良事業であるとも言えます。

地域別売上高の比較

表22

どの会社も共通して言えることは、

  • ・「海外売上比率が5割を超えている」
  • ・「主戦場は北米」
  • ・「欧州・アジアはあまり攻めきれていない」

と言ったところだと思います。

特にスバル・日産・本田に関してはパッと見ではアメリカの会社に見えなくもないです。

まとめ

これまで見てきた 社の順位を「利益性」「コスト」「安全性」「チーム力」「個人技」の括りで下記します。

(総合点と平均が低ければ低いほどこの項目について「優れている」ということになります。)

表8

利益性 総合順位

  • 1位:トヨタ
  • 2位:スバル
  • 3位:日産
  • 4位:ホンダ
  • 5位:マツダ
表18

コスト 総合順位

  • 1位:スバル
  • 2位:トヨタ
  • 3位:マツダ
  • 4位:ホンダ
  • 5位:日産
表7

安全性 総合順位

  • 1位:スバル
  • 2位:ホンダ
  • 3位:日産・マツダ
  • 4位:トヨタ
表21

チーム力 総合順位

  • 1位:トヨタ
  • 2位:日産・スバル・ホンダ
  • 3位:マツダ
表27 width=

個人技 総合順位

  • 1位:スバル
  • 2位:トヨタ
  • 3位:日産
  • 4位:マツダ
  • 5位:ホンダ
表19

総合順位

  • 1位:スバル
  • 2位:トヨタ
  • 3位:日産・ホンダ
  • 4位:マツダ

各社の特徴をまとめると以下のようになります。

トヨタ

  • 利益性:1位
  • コスト:2位
  • 安全性:4位
  • チーム力:1位
  • 個人技:2位
  • 総合:2位
  • ・事業規模では圧倒的なトップだが、財務基盤が少し不安定な印象
  • ・チーム力は納得の1位

日産

  • 利益性:3位
  • コスト:5位
  • 安全性:3位
  • チーム力:2位
  • 個人技:3位
  • 総合:3位
  • ・全般的に5社の中間
  • ・設備投資にコストがかかり過ぎており、そこは大きな不安材料

スバル

  • 利益性:2位
  • コスト:1位
  • 安全性:1位
  • チーム力:2位
  • 個人技:1位
  • 総合:1位
  • ・事業規模こそ下位だが利益率の高さ、コストの低さ、財務基盤の厚さ、個人技の強さなど事業規模以外の項目においては非常に優秀
  • ・北米は全体の売上の6割以上を稼ぐ主戦場となっている

マツダ

  • 利益性:5位
  • コスト:3位
  • 安全性:3位
  • チーム力:3位
  • 個人技:4位
  • 総合:4位
  • ・これと言って目立つストロングポイントはない
  • ・地域別売上ではどこの地域にもあまり偏っておらず、5社の中では一番バランスがとれた地域別の売上構成をしている

ホンダ

  • 利益性:4位
  • コスト:4位
  • 安全性:2位
  • チーム力:2位
  • 個人技:5位
  • 総合:3位
  • ・個人技は強くないがチーム力に優れており、財務基盤も割と健全
  • ・事業ポートフォリオが適度に分散されており、そういう意味では主力の車が売れなくなった時のリスクヘッジが既になされているように思える

志望動機として使えそうな点

トヨタ

世界トップの売上高を誇る点

日本における正真正銘の超有名な大企業なので、その看板を背負って働きたい人には向いているかもしれません。

チーム力が高い点

個人技も相当に強いですが、この会社の一番の強みは何といってもそのチーム力の高さです。

なので営利企業としての組織の完成度は高いハズなのでそういった環境で仕事をしていきたいと考えている人には向いているかもしれません。

日産

5社の中では中間な点

特にこれと言った特徴はないのでそういう意味では大手自動車メーカーの中では平均的な会社と言えます。

裏を返せば「1位を維持するプレッシャー」や「巻き返しを図らなければならない悲壮感」といった余計な要素が存在しないのではないかと推測します。

なので「自動車関連の仕事には携わりたいけれども、マイペースに仕事をしていきたい」と考えている人には向いているかもしれません。

海外売上比率が8割以上である点

海外で働きたいと考えている人には向いているかもしれません。

スバル

個人技が非常に優れている点

5社の中では個人技がズバ抜けて強いかつ利益率も高いので、レベルの高い競争環境に身を置いて、その中で切磋琢磨していきたいと考えている野武士系の人には向いているかもしれません。

マツダ

事業が純粋に自動車一本である点

純粋に自動車事業だけに携わりたいと考えている人には向いているかもしれません。

海外売上比率が8割以上である点

海外で働きたいと考えている人には向いているかもしれません。

ホンダ

全体的にバランスが取れている点

この会社と他の4社との大きな違いは、

「事業規模がそれなりに大きい上に財務基盤も割と健全で、なおかつ事業ポートフォリオを分散してしっかりとリスクヘッジもしている」

という会社としての全体のバランスの良さです。

なので「安定した大企業で働きたい」という人には一番向いているかもしれません。

海外売上比率が8割以上である点

海外で働きたいと考えている人には向いているかもしれません。

これまでまとめてきた事項は数字を元にした会社の実態ではありますが、より正確に実態を掴むためにも説明会で質問してみたり実際に社員の人に会ったりして、調べた情報とズレていないかどうかを確認してみた上で、ESや面接で使用することをおすすめします。