就活生の為の経営用語解説~流動比率編~

企業研究
2018年02月14日
電卓

はじめに

ここでは就活生のみなさんが有価証券報告書に記載されている実際の数字を元にして企業研究をする時に重要な用語について、出来るだけ噛み砕いて説明していこうと思います。

まず会社の安定性に関わる指標の「流動比率」から説明して行きます。

目次

  1. 流動比率とは
  2. なぜ流動比率が重要なのか
  3. 流動比率を見るときの留意点
  4. まとめ
スポンサーリンク新宿・池袋・渋谷・横浜・東京で就活用の証明写真撮る写真館ならスタジオインディ
スポンサーリンク新宿・池袋・渋谷・横浜・東京で就活用の証明写真撮る写真館ならスタジオインディ

流動比率とは

流動比率をカンタンに言うと、

「借金やツケ払いなど会社が1年以内に支払わなければならない金額」

に対して

「会社が持っている商品在庫含めたすぐに現金化出来る資産」

がどれほどあるか、つまりは

直近1年の短期の支払い能力を示す指標

です。

計算式は以下の通り

流動比率(%)=流動資産÷流動負債

通常パーセント表記をするのですが、見る上で重要なのはこの比率が100%以上か100%未満かということです。

100%以上
手持ちの資産を全て現金化したら、1年以内に支払わなければならない金額を全て支払える(経営的には大丈夫)
100%未満
手持ちの資産を全て現金化しても、1年以内に支払わなければならない金額を全て支払えない(経営的に黄信号が灯っている可能性アリ)

なぜ流動比率が重要なのか

ではなぜ1年以内に支払わなければならない金額を全て支払えないとまずいのか。

社会通念上も一般的にも、支払わなければならないものを支払えないのがまずいのは当たり前なんですが、会社的に言うと支払わなければならないものを支払えないと、どうまずいのか。

結論から言えば

会社がそういった状況になると「倒産」という扱いになるからまずい

のです。

倒産が起こる一般的なイメージは「大赤字を出して会社としてやっていけなくなり、借金等の支払い義務があるものを支払えなくなる」というものだと思いますが、その本質は「支払い義務があるものを支払えなくなる」ということにあります。

これは会社が毎年増収増益でどれほど利益が出ていようが関係ありません。

黒字にせよ赤字にせよ期日までに支払わなければならない金額を支払えないと、「倒産」します。

「じゃあその金額をまた他のところから借金してくればいいじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、それはかなり難しいです。

なぜなら支払い義務があるものを支払わなかった会社は会社としての「信用」を失っているので、そんな会社には融資の審査が下りないからです。

普通の人間関係に置き換えた方がイメージしやすいかもしれません。

あなたが友達に「1か月後に返すから!」と言われて100万円を貸したとします。

ですがその友達は1か月経っても、はたまた2か月経っても100万円を返してくれません。

そしてその友達から連絡が来ました「もう50万円貸してくれない?前に借りたのと合わせてあと1か月後に絶対に返すから!」

これ誰も貸しませんね。貸すとしたらよほどのお人好しか何かでしょう。

残念ながら現実世界にお人好しの銀行は存在しません。

なぜなら銀行が貸しているお金の原資の大半は他人から預かった預金だからです。

人から預かったお金をテキトーな約束で他の人に貸す銀行なんて誰も預金したがらないと思います。

個人間なら支払いが遅れてもそのあと返してもらえさえすればほとんど何も問題ないのですが(その心理を利用した詐欺の可能性もありますが)、会社間になると一度支払いが滞れば「社会的な信用なし」の烙印を押され、それがありとあらゆるところに広まり手詰まりになります。

そうなる可能性が高いか低いかを測るものとして流動比率は重要なのです。

流動比率を見るときの留意点

ただ流動比率が100%を下回っている会社が全て「倒産する可能性が高い」とも言い切れません。

なぜなら

有価証券報告書の流動資産と流動負債の欄には、全ての支払い期日が明記してあるとは限らないから

です。

仮に

  • ・流動資産=10億円
  • ・流動負債=20億円
  • ・流動比率=50%

の会社を想定してみましょう。

見た目はまずい状況なのですが、流動負債の期日の内訳が

  • ・10億円=6か月後に取引相手A社に支払い
  • ・10億円=12か月後に別の取引相手B社に支払い

と分かれている場合ならどうでしょうか。

(この場合の流動負債の内容は借入金ではなく、買掛金という項目で記載されます。)

もしその会社が黒字経営をしていて銀行からも信用が厚いのであれば、6か月後に手持ち資金から10億円をA社に支払ったのちに、支払い期日がそこから更に6か月以上先の10億円を銀行から借りて来れば、残りのB社への10億円の支払いも期日通りに行うことが出来ます。

(一般的にこの状況は自転車操業と呼ばれますが)

まとめ

以上に述べてきたことから、この流動比率というものはあくまで会社の安定性を測ることにおいて、目安として用いる方がベターです。

いずれにせよ

  • ・流動比率が100%を超えていればその会社はある程度大丈夫
  • ・流動比率が100%未満であれば会社の安定性に疑義アリ

だと言えるので、もし入りたい会社の流動比率が100%未満なのであれば、健全な疑問として持っておいた上でその会社に行くか行かないかを検討した方が良いと思います。

あわせて読みたい