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就活生の為の経営用語解説~FCF編~

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企業研究
2023年02月15日
電卓

はじめに

ここでは就活生のみなさんが有価証券報告書に記載されている実際の数字を元にして企業研究をする時に重要な用語について、出来るだけ噛み砕いて説明していこうと思います。

今回は会社の安定性及び成長性に関わる指標の「FCF(フリー・キャッシュ・フロー)」を説明して行きます。

目次

  1. FCFとは
  2. なぜFCFが重要なのか
  3. まとめ
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FCFとは

FCFの正式名称は「Free Cash Flow」で、これが意味するところは

「営業と設備投資など一連の企業活動をしたのちに、結局手元にいくら自由な資金が残るのか」

ということです。

FCFの計算方法はいくつかあるのですが、ごくごくシンプルに計算すると以下の計算式になります。

FCF = 営業CF + 設備投資費用 + 買収費用

なぜFCFが重要なのか

このFCFは多ければ多いほど良いとされています、というか少なくて良いわけがありません。

さらに言えばこのFCFを見ることによって企業の経営スタンスが垣間見えることがあります。

いちおうの定義としては

FCFがプラス・・・営業と投資のバランスがとれた堅実な経営をしている可能性が高い。

FCFがマイナス・・・稼いだ額以上に投資をしているということなので、経営としては勝負をかけている可能性が高い。

ということになります。

それでは具体例を見ていきましょう。

アマゾンの場合

まずはアマゾンを取り上げます。

表1

アマゾンの場合は純利益がマイナスの年度もありますが、営業CFは一貫してプラスを維持しています。

これは「帳簿上の費用であって実際にはキャッシュアウトしていない」減価償却費が主な要因です。

次に貸付・有価証券への投資・定期預金の預け入れなどの本業とは直接関係ないものを含めた投資CF全体と、本業と直接関係のある設備投資費用と買収費用の合計を比較してみると両者にそこまで差がないことがわかります。

結局本業で稼いだお金から設備投資費用と買収費用を差し引いたもの、つまりはFCFはプラスを維持しています。

2014年度は例外ですが、だいたい毎年稼いだお金のうち42~45%を設備投資や買収に使う必要はあるが、あとの約60%は自由に使えるお金として残せる商売をアマゾンは行っていることが確認出来ます。

だから新聞では赤字やら何やらと騒がれているのにキンドルを作ったりAWSをリリースしたり、映画製作やドラマ制作をしたりといったお金がかかることが出来ているのだということがわかります。

日本動物高度医療センターの場合

では次に攻めの経営(お金がとてもかかる商売)をしている例として、CTスキャン・MRI・放射線治療を使用する動物病院として局所的に有名な日本動物高度医療センター(上場企業です)を見てみましょう。

表3

2015年度は営業CF3億7953万円に対して設備投資に使ったお金が5億7,794万円(対営業CF比152%)で、2017年度は営業CF4億2,864万円に対して設備投資に使ったお金が10億8,479万円(対営業CF比253%)になっています。

つまりこの会社の場合は商売をするのにかなりのお金を使わなければならないということが確認出来ます。

おそらくこの多額の出費は病院の開業およびそれに伴う最新設備の導入だと思われますが、それが抑えられている2016年度にしてみても稼いだお金のうち76%を使わなければならないことがわかります。

足らない資金は銀行からの借り入れによってまかなっているようですが(財務CFより確認)、この会社は純利益・営業CF共に絶好調かつROE20%超のスーパー優良企業なのでこういった攻めの経営が出来ています。

フィリップモリス社の場合

では最後にお金を無茶苦茶に稼げて、かつ設備投資に全然お金が必要ない例としてアメリカのフィリップモリス社(マールボロなどのタバコを作っている会社)を見てみましょう。

表2

純利益と営業CFはだいたい一致していて、毎年7,000~8,000億円を本業から稼いでいることが確認出来ます。

一方設備投資費用と買収費用を見てみると、毎年約1,000億円を使っていることがわかります。

対営業CFで行くと15%しか使っていないことになります。

つまりはこの会社は毎年稼いだお金から必要な設備投資費用を差し引いても、好きに使えるお金を大量に残しておけるとんでもない商売をしていることがわかります。

そしてここ数年、この会社は稼いだ利益のほぼ全てを配当として株主に還元しています。

これが示唆するのは、

「タバコビジネスは安定して無茶苦茶稼げる上に、毎年の設備投資もほとんどいらないのでお金が大量に残る、資本主義的にほぼ完成した商売です。

しかし成長は今後あまり期待出来ないと思っています。

ならば自社に貯めているよりは株主のみなさんに配当として還元する方が得策だと思ったので、そうします。」

という経営からのメッセージです。

まとめ

以上に述べてきたことからFCFを見ることでその会社が行っている商売がいかに効率良い(または悪い)ものなのか、そしてその経営姿勢がどのようなものなのかがイメージだけで漠然とではなく、論理的に事実として読み取れるようになります。

基準を示すとするならばいかの通りになると思います。

★FCF ÷ 営業CF = 恒常的に70%以上(設備投資にお金を使っても70%以上が手元に残る)

→非常に効率が良い経営をしていて、商売として完成している超優良安定企業の可能性が高い。

★FCF ÷ 営業CF = 恒常的に30%以下(設備投資にお金を使ったら30%以下しか手元に残らない)

→商売をするにあたって多額の設備投資や運転資金がかかるので効率はあまり良くない。

FCF ÷ 営業CF = 単年で100%以上(稼いだお金以上に設備投資などにお金を使っている)

→会社が「攻めの積極経営」をしている可能性が高く、行った設備投資により今後急激な成長が見込まれるかもしれない。

ESや面接で会社とのギャップを埋めようと思って企業研究を非常に細かく行いたいならば、こういったFCFで商売のやり方や経営スタンスの「実際のところ」を確認してみるのも良いかもしれません。

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