もくじ
1. はじめに
就職活動において絶対に受けた企業から内定が獲得できる保証はない。従って、複数の企業(一般には30社程度)の選考に参加し、最終的に内定を獲得できた企業の中から納得の行く選択をするのが一般的な就職活動となる。この過程において、実際には第一志望の企業ではない(いわゆる滑り止め企業)から『本当に当社が第一志望ですか?』と聞かれることは避けられない。
そこで、ここでは『本当に当社が第一志望ですか?』と聞かれた時の答え方について解説する。
2. 企業が第一志望の学生を採りたがる理由
そもそもなぜ企業は『自社が第一志望の就活生』に内定を出したがるのか?それは、彼らに”内定受諾率”というノルマが課されているためだ。学生の建前を見破れず、安易に内定を出したあげく、本当は第一志望だった他社に入社されてしまうと人事の評価が下がる。従って、そのリスクを見定めるため、『本当に第一志望なのか?』という確認がされる。この確認は主に、2次、3次選考などの人事課長クラスが登場する面接で多く発生する。
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3. 第一志望か聞かれた時の答え方
では、実際に企業から『本当に当社が第一志望ですか?』と聞かれた場合、どのように答えればよいか?以下に3つのパターンに分けて解説する。
パターン1:本当に第一志望の場合
選考に参加している企業が第一志望なら、素直にその旨を伝えよう。ただし、状況が状況のため就活生なら『御社が第一志望です。』と建前を述べることを人事は織り込んだ上で就活生の話を聞く。従って、第三者が聞いた時に納得感をもてる根拠を伴った第一志望の理由(=志望動機)を述べる必要がある。たとえあなたが本当にその企業が第一志望だったとしても、それが人事に伝わらなければ、滑り止めで受けてる他の就活生と同じ扱いとなってしまう。
パターン2:第一志望ではないけど第一志望だと答える
第一志望ではない滑り止め企業に対して、建前として『御社が第一志望です。』と答えるパターンである。悪い言い方をすれば嘘になるが、ビジネスには建前が必要だ。人事も就活生に対して建前でものを述べている部分は少なからずある。すべての企業から選考に参加すれば内定が獲得できるという保証があるならば、建前などなしに本音で志望動機を語れば良いが、現実には全ての企業から内定が獲得できるわけではない。就活生という選ばれる立場である以上、まずは第一志望群からの内定獲得数を最優先事項(KGI)として行動するのが合理的だ。十分な企業研究を行い、事実に根差した志望動機を伝える条件を満たせば、建前の志望理由に納得してもらい、内定は獲得することが出来る。
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パターン3:第一志望ではないと答える
滑り止め企業に対して『第一志望とするかは迷っている』と伝えるパターンである。正直に自分の考えを人事に伝えることが出来るため就活生としては心的負担が不少なく面接やESに臨むことできる。また、人事も昔は就活生だったわけだから就活生の気持ちはよく分かる。キャリアに悩む本音を開示することで人事からの信頼を獲得することにも繋がるかもしれない。
しかし、その一方で、人事のノルマを考えると『あなたの志望度を上げる』という手間が発生し、『もしかしたら他の企業に行っちゃうかもしれない』というネガティブな判断要素を与えるということは事実である。これらのネガティブな判断要素を考慮しても、『それでもやっぱり採用したい』と思われるほどの能力と価値観の一致度を示せていると思うのであれば、『第一志望とするかは迷っている』と解答するのも1つの手である。ただしこの時、
- どんな就活の軸の下で
- どんな企業群と
- どんなポイントで迷っているのか?
- そして、何がどうなれば第一志望になるのか?
もセットで人事に伝えなければ、ただ何も考えていない就活生と判断されてしまうので、注意が必要だ。
4. まとめ
いかがだったろうか。滑り止め企業で『本当に当社が第一志望ですか?』と聞かれた時には必ずしも『御社が第一志望です』と解答する必要はない。正直に伝える、建前をつらぬく、いずれの方法を選ぶにしても、第三者が納得する根拠が重要となる。なぜ、どこでどう迷っているのかを人事に伝えることができれば本音の開示は信頼を生む。事実に根差した納得感のある第一志望であることの理由(根拠)を伝えることができれば、建前の志望動機から『この就活生は自社が第一志望だ』と判断してもらうことも可能だ。選ばれる立場である就活生は常に、「第一志望群からの内定獲得数を最大化するにはどうしたら良いか?」の判断軸をもって行動する必要がある。どちらの方法が自分の内定獲得数最大化に繋がるか?を考えて判断し、行動して欲しい。