企業の選考フローから読み解く、採用活動のウラ事情(2)

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企業の採用活動
2023年02月15日
ビジネスマン

「企業の選考フローから読み解く、採用活動のウラ事情」前半の記事はこちら

はじめに

  • ・採用活動の目的 主に、将来の幹部候補採用と欠員補充の2種類に分けられる
    →前者の合格ハードルは比較的高め、後者も現場からのクレーム回避を想定するとハードルは低い訳ではないが前者より低い場合が多い
  • ・採用活動には正解がない 人事も試行錯誤しているので選考フローも毎年変更される場合も
  • ・採用活動の4機能 「集める」「動機付ける」「見極める」「口説く」
    →採用活動は恋愛によく例えられる

もくじ

  1. どんな選考フローを取り入れているかによって企業の見ているポイントがわかる
  2. まとめ
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どんな選考フローを取り入れているかによって企業の見ているポイントがわかる

「その学生の人となりを深く理解すること」については、学生ひとりひとりと話をするのが一番理解しやすい方法です。

ただし、「面接」という堅苦しい場を設定してしまうと学生も建前をつくってくるのは人事もわかっているので、「面談」「ジョブマッチング」「リクルーター制度」などで、その学生の素の姿を見ようとするのです。

学校のテストのように覚えてきたことを一言一句アウトプットする様を見たいわけではなく、どんな考え方を持っている人なのか、どんな状況ではどんな判断・行動をする傾向がある人なのかなど、仕事をする上での価値観を見たいわけです。

上記のように、学生がリラックスして本音を語りやすい場をつくろうと工夫している企業は採用上手といえるでしょう。

若手社員が何度も面談したり、同じ人事と複数回会う場合も、1度の面談で判断するのではなくしっかり見極めようとしてくれているのだと考えてください。

上記のようにひとりずつ話をしたいと思っていてもできないのが人気企業、大手企業です。

毎年何万人とやってくる応募者を人事2~3人で対応するのは到底不可能です。

そこでやむを得ず、エントリーシートや筆記試験、グループディスカッションなどを使い、ある程度の条件で足切りをするのです。

上述した、現場からクレームが起こらないように、という基準で判断すると、名も知らない学校の学生よりは有名上位校の学生を合格にしておいたほうが無難だろうという力学もここで働くわけです。

「本当にほしい人材の要件」がしっかり明確になっていれば「学歴フィルター」なども消滅するのでしょうが、採用経験の浅い企業であったり、トップダウン気質の企業(経営者が学歴にこだわったりする)や現場が強い企業だとやはり根強く残っている傾向はあります。

(もちろん、人材要件が「能力が高い人」=大学受験をしっかり戦い抜いた優秀人材、とは自然となるので、学校名を見ずとも結果的に旧帝大クラスの学生しか合格していない場合も往々にしてあります)

話がそれましたが、グループディスカッションも基本的にネガティブチェック、足切りとして使われます。

複数名が限られた時間でひとつの答えを導くという過程の中では、よほどしっかりひとつのグループを終始観察していなければ、加点採点は至難の業です。

どんな発言をしたら何点加点するなど、評価基準も人事担当者ごとに理解し徹底共有しなければできないからです。

足切りとして使われるというのは、全くディスカッションに参加していない、否定的な意見ばかりを出している、自分ひとりがずっと話をしている・・・などを見て減点評価をつけている場合が多かろうと思います。

実際に業務に参加した場合に協調性があるかどうかを見ているのですね。

なので、張り切りすぎてグループを引っぱりすぎてしまうような場合も注意が必要なのです。

ここまで解説してきましたが、応募者の人数や企業の考え方によって選考フローが違うということはご理解いただけたでしょうか。

一般的な選考フローを下記にまとめておきます。

応募者の人数が多い人気企業、有名企業の場合

※集めるのには苦労していないので、「見極め」「動機づけ」に力をかけていることが多い

序盤にエントリーシート、筆記試験(適性検査なども含む)、グループディスカッションで足切り

※適性検査では、企業の求める要件に合致しているかを見ているので、極端な話、企業と合わないと判断された場合は東大京大クラスでも適性検査で不合格になるケースもある。

     ↓

中盤以降は複数名または個人での面接(面談という名称での実施も含む)複数回

     ↓

人事部長などの役員クラスまたは経営者との面接

     ↓

解禁前に内定出しに動く企業は、早めに口頭での内定を学生に伝えて解禁後すぐに呼び出し、他企業の選考に行かれないように内定出しをする場合も

それ以外の企業の場合

※応募者を集めるのに苦労。加えて「動機づけ」「見極め」、特に「口説き」が弱い場合が多い

エントリーシート、筆記試験(適性検査なども含む)は「いったん大手と同じように出してもらおう」というだけの意図で参考程度に見ていることが多く、あまり不合格者が出ない場合も。

あるいはエントリーシート、筆記試験(適性検査なども含む)も実施しないこともある

     ↓

中盤以降は複数名または個人での面接(面談という名称での実施も含む)複数回

     ↓

人事部長などの役員クラスまたは経営者との面接

     ↓

最終面接後の面談を実施しているケースも増えている

そこで役員や社長または人事から選考のフィードバックをおこない、その学生を評価したポイントなども開示したうえで口説きをおこなっている

(オワハラではない場合が多い。近年は企業もオワハラ呼ばわりされることを危惧していることが増えており、この面接後面談をしている企業は比較的安心だと思われる)

まとめ

  • ・採用活動の目的 主に、将来の幹部候補採用と欠員補充の2種類に分けられる
  • ・採用活動には正解がない 人事も試行錯誤しているので選考フローも毎年変更される場合も
  • ・採用活動の4機能 「集める」「動機付ける」「見極める」「口説く」
  • ・選考の本質は「その学生の人となりを深く理解すること」
  • ・書類選考やグループディスカッションはネガティブチェックで使用される
    (大手、人気企業は人は集まるのでやむを得ず足切りの選考を多用する場合が多い/それ以外の企業は多用するほどは使用しておらず参考程度に見ている場合も)
  • ・応募者の人数や企業の考え方によって選考フローは異なっている