企業の選考フローから読み解く、採用活動のウラ事情(1)

カテゴリ:企業の採用活動
ES研究所 2017年12月16日
採用

はじめに

そもそも、企業にとって採用活動の目的とは何でしょうか。

これは2つの解があります。

もくじ

  1. 採用活動の目的:1つめ
  2. 採用活動の目的:2つめ
  3. 選考フローがよく変わる企業ほど真剣に採用活動をしている
  4. 就職活動を分解して考えると

採用活動の目的:1つめ

まず1点目は、その企業の将来を担う人材を育成するための新規雇用

既存の社員だけでは人員の年齢構成が偏るので、定期的に若手を採用しバランスのよい組織にしようという狙いがあります。

大手から中堅企業クラスまでで多い考え方です。

新卒を採用するというのは研修コストや育成の手間がかかり、中小や零細企業では新卒入社というのは手が届かない存在だと考える経営者もいます。

ただし、「会社を大きくして新卒を採用したい」と夢をもっている経営者もおり、新卒のまっさらな若手を採用できるというのは企業の夢、ステータスでもあるのです。

採用活動の目的:2つめ

2点目は、欠員補充です。

上記のようなコストや手間の理由で、採用したらすぐに動ける中途採用しか元々おこなっていなかったような中小企業で社員の退職の穴埋めのための採用がうまくいかない場合です。

「中途採用がとれないので新卒でもいい」と、新卒採用市場に参戦してきているケースが増えています。

学生からすると、この場合は入社時導入研修やフォロー体制が不十分なケースもあるので注意が必要です。

(もっとも、中小や零細でもしっかりした研修を構築している場合も多くありますので、一概に中小=研修なしですぐ働かされる、ということではありません)

前者では新卒に期待をかけている分、誰でもいい訳ではないので採用時のハードルは比較的高めです。

加えて、知名度があったり親世代からの支持が高い企業になると応募総数も半端ではないため、競争率が上がり、企業からの選別の目はおのずと厳しくなります。

後者も誰でもいい訳ではないのですが、前者に比べると比較的ハードルは低めです。

ひとまずは上の指示が理解できそのように動いてもらえる人であれば採用対象になります。

逆に、能力が高すぎると「オーバースペック」といって、「うちの会社では扱いきれない」「コントロールできる人材が社内にいないので受け入れられない」と、能力が高いがゆえに採用されないケースもあります。

しかし、いずれの場合も現場に配属して想定通りの活躍が得られていないと「誰がこの人を採用したんだ」と現場から苦情が出ることが往々にしてあります。

経営者が一切の責任を負って採用しているようなベンチャーに多いケースだとそこまで問題になりませんが、現場と人事との力関係において人事が弱い企業だと、「現場からクレームがでないくらいの優秀な人材でないと」という力学が働き、「面接官がひとりでも合格を迷う場合はすべて不合格にする」などの弱気選考が散見される場合もあります。

そういう場合だと、合格率はさらに厳しいものになるでしょう。

近年、能力や素養が突出しており本命企業からいくつも内定を勝ち取っている学生がいる一方、能力や素養が決して悪くはない学生でも、応募が集中している企業ばかり受験してしまい活動に苦戦しているという「二極化現象」も増えているように思われます。

選考フローがよく変わる企業ほど真剣に採用活動をしている

前置きが長くなりましたが、採用活動そのものには「正解」がありません。

そのため、人事も「このやりかたでいいのだろうか」と採用活動における仮説検証、PDCAを繰り返し実践しています。

大概の学生にとって就職活動は1度きりの経験なのでわかりづらいと思いますが、毎年選考方法を変えて試行錯誤している企業は意外と多いのです。

余談ですが、企業が選考方法を変えざるを得ない場合も存在します。

受験した学生が「一次面接はこんなお題だった」などと、SNSに書き込まれネタバレしてしまう場合です。

書き込んでいる学生は良かれと思って公に共有しているのでしょうが、企業側にとっては迷惑以外の何物でもありません。

採用年度の途中であれば採点基準の変更を余儀なくされるなど業務に対しての損害が発生しますので、こういう行為は絶対に止めましょうね。

就職活動を分解して考えると

仕事探し

採用活動における4つの機能として、

・集める
・動機付ける
・見極める
・口説く

というものがあります。

「集める」における具体例はインターンシップや就活イベント、大学訪問や研究室・ゼミ訪問、SNSなどでの呼びかけなどが挙げられます。

公に募集する場合もあれば、理系技術職のようにリクルーター活動で一部の学生のみを対象にする場合もあります。

「動機づける」は「その企業のことを知り、好きになってもらう」ことです。

社員と会わせる座談会などの体験イベントや、会社HPやパンフレットの充実、説明会時のムービーやスライドショー活用などのツールがよく使われます。

「見極める」は選別することです。今回はこの部分を詳しく後述します。

「口説く」では経営者や役員から直々に選考評価をフィードバックしたり「来てほしい」と口説いたり握手をさせたりするケースがある一方、強引にやりすぎると「オワハラ」と言われる事態になります。

担当者はオワハラをしている意識はない場合が多く、その学生に来てほしいという思いからやっていることがほとんどなのですが、学生を困らせているという自覚はないので質が悪かったりします。

新卒採用関係者は採用活動をよく恋愛・結婚に例えます。

恋愛・結婚のステップも

・出会う
・知る・好きになる
・(一生添い遂げられるかどうか)見極める
・告白あるいはプロポーズ

と同じように進んでいくためです。

企業も同じで、「この学生を一生涯雇う覚悟ができるか/一生涯雇うに値する価値があるか」を真剣に見極めます。

見極めるために必要なポイントは、

第一:「その学生の人となりを深く理解すること」
第二:「その企業の考え方、方針に賛同・共感してくれそうかどうか、あるいは企業カラーに馴染めるかどうか」

です。

これを確認するために、各社がどんな選考フローを取り入れているかです。

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