研究職の筆記試験のパターンと出題例

カテゴリ:就活と研究職
2016年10月25日
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研究職(特に製薬企業)志望の学生用 筆記試験のパターンと出題例

もくじ

  1. はじめに
  2. 筆記試験のパターン
  3. まとめ

1. はじめに

こんにちは。今回は、研究職志望の学生であれば必ず受けるであろう、筆記試験に関する記事を書きたいと思います。

企業側は、面接やエントリーシートでは測れない学生の能力や性格を知るために、試験を課す場合があります。転職サイトDODAの調べによれば、そのうち90 %以上がwebテストやテストセンターでの能力・適正検査でありますが、化学・食品系研究職の65 %は、企業別に独自の試験を設けています。

しかしながら、

  • どのような形式で、
  • どれくらいの難易度の問題が、
  • どれだけ出るのか、

といった情報は十分に出回っておらず、ほとんど対策をせずに臨む方も多いと思います。私は2017年卒の採用で製薬・食品業界の研究職を中心とした就活を行いました。特に製薬企業は、一次面接や企業説明会の段階で筆記試験を課す場合が多く、私自身、10社の試験を受けました。今回はその経験から、企業別に課される筆記試験の出題パターンと、実際に出た問題を紹介したいと思います。

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2. 筆記試験のパターン

では、企業が個別に課す筆記試験のパターンを見て行きましょう。ここでは、出題パターンの詳細とそれを課した企業の数を書きました。なお、企業数の和が10を超えるのは、複数の出題パターンを課す企業もあったためです。

○ 紙媒体のSPIが課されるパターン(10社中5社)

紙媒体のSPIが課されるパターン

「当日は筆記試験があります」と言われますが、中身はごく一般的なSPIである場合があります。特筆すべきことはありませんが、紙媒体のSPIは問題数が決まっているため、時間が無く分からない問題でも、必ずマークだけはして提出しましょう。

○ 一般常識が問われるパターン(10社中1社)

一般常識を問うてくる企業(食品系)がありました。時間は60分きちんと計られました。分野は一般常識、時事問題、大学レベルの生物学の知識、大学入試センター試験レベルの物理や化学の問題が出ました。出題範囲が広い分、対策は難しいと思いますが、一般常識問題集を一冊やる、日常的に新聞・ニュースに目を通すなどは有効かと思います。

実際の出題例(記憶の範囲)

  • ・  一寸は約○○cm, 一尺は約○○cm, 一間は約○○m.
  • ・  一坪は約○○畳で○○m2、一町は○○反で、それはさらに○○畝で、○○
  • ・  ベルリン、ハノイ、カイロ、モスクワの位置はどこかを世界地図から選ぶ.
  • ・  窓の結露を防止する方法を5つ挙げろ.
  • ・  巻尺一つを用いて地面に直角を書く方法を図示せよ.
  • ・  1ドル○○円、1ユーロ○○円.
  • ・  英文和訳(1-2行分の英語)
  • ・  滑車、斜面、摩擦、エネルギー保存の法則などのポイントが問われる物理の問題(センター試験レベル).
  • ・  食物繊維の主成分は○○である.

○ 英語の筆記試験(10社中6社)

英語の筆記試験

記述式の英語の試験を独自に行う会社がありました。多くの場合、制限時間30~60分の英文和訳式です。学術論文のabstractや論文本文からの引用と思われる英文を和訳する能力が問われます(一問約300 wordを10分で解くハイペース)。企業が専門として行う研究分野に関する英文を読ませる場合が多く、それに関する知識がある人には非常に有利。例えば、循環器系を専門とする製薬企業では循環器疾患に関する英文、眼科領域に特化する製薬企業では眼に関する内容でした。

また、生化学の教科書から引用したかのような大学生物一般知識レベルの内容の英語を和訳するケースもありました。日ごろから学術論文を読んでいれば英単語のレベルは難しくありません。とにかく、速く正確に訳すことが必要なため、日ごろから速読を意識することが有効かと思います。

○ クレペリン検査(10社中2社)

クレペリン検査という試験を行う会社があります。詳しくは内田クレペリン検査のHPをご覧いただきたいですが、これは、一桁の簡単な足し算を30分間ただひたすらに続ける忍耐力が必要な試験です。1分ごとの計算量と正答率のデータから、作業能力だけでなく、性格や行動パターンまでもが判明してしまうようです。計算量が多く、正答数が多いことが理想ですが、そのほかにも、作業曲線も見られます。作業曲線とは1分当たりの計算量の推移のことです。健康で性格や適性面に偏りのない人が描くとされる作業曲線は定形型と言い、前半はU字を描きつつ計算量が減少し、後半は上昇するタイプです。定形型から大きく外れないことが求められると言われています。

○ 専門性を問うパターン(10社中2社)

専門性を問うパターン

製薬会社2社で、薬学の専門知識を問う筆記試験がありました。時間は60分、分子生物学、薬理学、物理化学、薬物動態学、薬剤学、有機化学などから幅広く出題。大問5~6問から、2~3問を選択回答形式。必須問題もあり、大学一般教養レベルの科学の知識が問われました。専門外の範囲の対策は難しいと思います。その分、専門分野の問題は満点を狙う勢いで臨み必要がありますが、大学の研究を行う立場からすれば、常識的で難しくはない問題が多い印象を行けました。

実際の出題例(記憶の範囲)

  • ・ 次の語句の中から2つ選択し、説明せよ(200程度)
  • 語句:RNAi, iPS細胞, セントラルドグマ, PCR.
  • ・ iPS細胞を作成するために必要な4つの遺伝子を挙げろ
  • ・ ミカエリス-メンテン式の導出過程の穴埋め
  • ・ アンモニアの代謝物である尿素の構造を書け
  • ・ 6員環のアルキンにホウ素化合物と過酸化水素を反応させた時の生成物を書かせる問題(有機化学は専門外のため記憶はあやふや)
  • ・ 薬剤の賦形剤として用いられる化合物は何か
  • ・ 細胞内におけるリソソームの役割について説明せよ

3. まとめ

以上、私が実際に体験した試験のパターンと、実際の出題例について書かせていただきました。私の経験と、大学の同期や先輩の話を照らし合わせる限り、一部上場の有名企業であるほど、何らかの形で筆記試験が設けられているようです。しかし、どの範囲からどれだけの問題が出て、合格ラインはどの程度なのかはわかりません。したがって、少なくとも自分の専門分野に関する知識は高めておくべきだと思います。是非日々の研究内容の中でよく使うような機械や測定方法のメカニズム、常識的な反応機構については理解しておきましょう。

一方で、私個人的な考えとしては、英語の比重は高いと考えています。なぜならば、英語はどの研究分野においても必要な能力だからです。実際に、「試験問題の中には専門外の問題もあるでしょうから、そちらの配点は低くなっています。しかし、英語だけは頑張ってください。」と、試験直前におっしゃる人事の方もいました。研究職志望の方であれば、TOEICを受ける方がほとんどでしょう。その延長で英語の勉強を継続することが、最も普遍的に応用できる筆記試験対策ではないかと私は考えます。

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